Q.日曜日に休める仕事だけを選んでいると、なかなか就職が決まりません。どうすればいいでしょうか。(20代・男性)
現代は特に就職の困難な時代です。「日曜日は休ませていただきます」と初めから宣言していたら、仕事を見つけるのは極めて難しいことになるのは明らかです。キリスト者がごく少数派である日本の社会には、日曜日を聖日として守る伝統も仕組みも存在していません。
公務員も、教員も、看護師も、自営業者も、サラリーマンも、パートもアルバイトも、世の中の職業はそれぞれ日曜日を必ず休んでいては成り立たない職業ばかりです。そこでご質問のような悩みが生まれるのですが、まずは就職にあたって、このような問題意識を持たれた質問者の姿勢に敬意を表します。
聖日を死守するために、場合によっては定職を持たずに生きようと決意されるならば、神はその方の歩みを必ず守ってくださるでありましょう。けれども、そのような選択は恵まれた人には可能であっても、多くの人に勧めることはできません。
勤務のために時々、あるいはしばしば、場合によってはほとんどの聖日が守れないような職場であっても、その仕事に全力を注がれることをお勧めします。
朝の礼拝に出席できない場合にも、夕礼拝、家庭集会、祈祷会などに参加する道もありえます。歳をとって体が弱っていくと、誰でも、心はあっても礼拝に参加できない日が多くなっていきます。
しかし、神は霊なる存在です。礼拝に出席できない病者の上にもキリストの恵みは与えられ、さまざまな形での主にある交流がなされえます。仕事と年齢という違いはありますが、誰もが質問者と同じ悩みを持って、なんとかキリストの福音にあずかり、主にある交流を求めて生きる人生の時をもつのが現実です。
キリストの愛はとりわけ弱い人の上に注がれるといわれます。仕事や病気のために、聖日を守ることのできないキリスト者の上に、神の愛はとくに豊かに注がれるに違いありません。
しらい・さちこ 青山学院大学文学部を卒業後、フルブライト交換留学生として渡米。アンドヴァー・ニュートン神学校、エール大学神学部卒業。東京いのちの電話主事、国立療養所多磨全生園カウンセラー、東京医科大学付属病院でHIVカウンセリングに従事した後、ルーテル学院大学大学院教授を経て同大名誉教授。臨床心理士、米国UCC教会牧師。