エジプトに起こったことは僕たちにも起こる【聖書からよもやま話120】

主の御名をあがめます。

あけましておめでとうございます。
皆様どんなお正月をお迎えでしょうか。MAROです。
この一年が皆様にとって祝福多き年になるようにお祈りいたします。

今年もどうかクリプレをよろしくお願いいたします。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章を読んで、僕の心に浮かんだ事柄を、ざっくばらんに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、  イザヤ書の19章です。それではよろしくどうぞ。


◆イザヤ書 19章2節

わたしはエジプト人を駆り立てて、エジプト人にはむかわせる。
かれらは、兄弟は兄弟と、友人は友人と、
町は町と、王国は王国と争い合う。

(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)


この箇所ではエジプトとエジプト人について、「神の言うことを聞かない人たちはこんなことになっちゃうぞ」ということが述べられているのですが、これは特に聖書や神様がエジプト人を攻撃しているわけではありません。エジプトは当時、世界で最も栄えた国でしたから、ここで「エジプト」と記されているのは「今、繁栄している人たち」という意味です。

歴史をみれば、どんなに繁栄した国もその繁栄は永遠には続かず、かならずいつか滅びたり衰退したりします。そして、この箇所に書かれていることは、現代の僕たちの社会にも実際に確実に起こっていることばかりです。特にこの2節では「人々が互いに争う」つまり分断社会のことが記されています。他にも占いや、いかがわしい心理学が流行するとか、それまでにない災害が訪れるとか、この前後に記されている様々なことが、今実際に起こっていると思わざるをえません。そして歴史的には多くの「大国」が、やはり分断や、災害や、怪しい流行によって滅びたり衰退したりしています。

今、この「民主主義、資本主義の繁栄」の中に生きている僕たちも、気をつけなければいけないことです。これは決して「昔のエジプトへの警告でしょ?僕たちには関係ないじゃん」という問題ではないんです。

どうかこの一年、世界の分断が少しでも緩和されますように。災害に襲われることがなくなりますように。祈りたいと思います。

なんだか新年いきなり、ちょっと恐ろしげな内容になってしまいましたが、でもしかしこのイザヤ書19章、最後は神様からの「わたしの民エジプト、わたしの手で造ったアッシリア、わたしのゆずりの民イスラエルに祝福があるように」ということばで締めくくられます。神様は自分を信じる民であるイスラエルだけでなく、エジプト人もアッシリア人も「わたしの手で造ったわたしの民」と愛してくださっています。それはもちろん、現代でも、神様に愛されているのはクリスチャンだけではなく、あらゆる人々が「私の手で造ったわたしの民」と神様の愛を注がれているということです。

それではよいお年をお迎えください。
主にありて。
MAROでした。

【今日の小ネタ】
東方教会などの一部の教派ではクリスマスは1月6日です。
と、いうわけで皆様、もうすぐクリスマスですよ。

【おねがい】
クリプレは皆様の献金により支えられています。皆様から月に300円の献金をいただければ、私たちはこの活動を守り、さらに大きく発展させてゆくことができます。日本の福音宣教のさらなる拡大のため、こちらのリンクからどうか皆様のご協力をお願いいたします。


Related Posts

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

この記事もおすすめ