WCC総幹事がイスラエル大統領と会談 停戦、信教の自由、人道的ケアを求める

世界教会協議会(WCC)のジェリー・ピレイ氏は2月16日から22日にかけてパレスチナとイスラエルを訪問し、この地域のWCC加盟教会の生活と宣教を分かち合うとともに、パレスチナのマフムード・アッバス議長やイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領をはじめさまざまな宗教的、社会的、政治的指導者と会談し、WCCエルサレム連絡事務所を訪問した。代表団の団長として、WCC総幹事にはアウデ・クワワス博士(WCC中央委員)、マリアンヌ・エイデルステン氏(WCCコミュニケーション部長)、ユセフ・ダヘル氏(WCCエルサレム連絡事務所コーディネーター)が同行。ヘルツォグ大統領との会談では、テオフィロス3世総主教とマリアンヌ・エイデルステン氏が同行した。

2月20日、ヘルツォグ大統領と面会したピレイ総幹事は、イスラエルとパレスチナの現状とガザにおける戦争について話し合った。率直で公正かつ友好的な対話の中で、両首脳は停戦に向けて努力することの重要性と、すべての人々と被造物にとって平和と安全とが存在する世界、すなわち神が私たちに望み、私たちのために望んでおられる世界の創造を支援する上での宗教の役割について合意した。

ピレイ総幹事は、ガザで2万7000人以上の人命が失われ、そのほとんどが女性と子どもたちであることに憂慮を表明し、暴力や戦争は解決策を模索するための手段ではないというWCCの立場を改めて表明。戦争を終結させ、イスラエルとパレスチナのすべての人々にとってより良い未来を創造するための対話の必要性を強調した。

また、信教の自由と宗教的実践に関する問題を提起し、イスラム教のラマダン(断食月)期間中にイスラエル政府が課すさらなる制限に関する最近の報告書に言及した。さらに、一部の若い過激派による無礼な振る舞いについて、教会首脳との会談で共有された情報にも言及。イスラエル大統領は、そのような行為が行われていること、それが確かに容認できないことであり、相応の対処をしていると認めた。

ピレイ氏は、囚人や人質への人道支援に関連する懸念についても述べ、現在イスラエル政府および団体によって対処されているとの確約を得た上で、戦争と暴力の状況において、宗教は、壊れ、苦しんでいる世界を癒し、和解させるために、平和と希望の代替メッセージを大胆に宣言する必要があると繰り返し述べた。

会議は、イスラエルとパレスチナの状況において人道的支援を提供する意図の一環として、停戦に向けた取り組みや、気候・環境問題、食糧安全保障の問題への取り組みにおいて協力することを呼びかけ、前向きな雰囲気で終了した。

「世界的な教会の交わりとして、私たちは戦争の終結、深い傷の癒し、そして人命と権利の尊重のために、思いやりと祈りを表明し続けます」とピレイ氏。「私たちは、この状況における複雑さと課題を理解し、実行可能で公正な解決策を見出すことが容易なことではないことを知っています。しかし私たちはやらなければいけないのです。暴力が平和を可能にするとは思えないし、そうはならないでしょうから。私たちは、イスラエルとパレスチナの双方において、公正な平和、安全、そして安全を確立するために、すべての当事者と関係国が即時停戦を求め、対話に入ることを強く求めます。私たちは、国際社会、特に政治指導者たちに、これらの努力を支援し、緊急に行動するよう呼びかけます」

(翻訳協力=中山信之)

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