教会員間のトラブル、介入してよい? 山元 眞 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

Q.教会員同士のトラブルに誰がどう介入したらいいか分かりません。(50代・教会役員)

「トラブル」にもいろいろあるでしょう。それによって対処の仕方は違うと思います。よく耳にすることは教会員同士の人間関係がうまくいってないことです。「トラブル」の原因は誤解や偏見、理解の不足などが考えられます。とすれば、解決策は「対話」しかありません。「どうしたらいいのでしょうか」という相談をよく受けますが、結局は当事者が勇気と謙虚さをもって対話するしかないようです。

教会といえども人の集まりだから仕方がないといって、「トラブル」をそのままにしておくときがあります。「時が解決する」ともいいますが、それは多くの場合、忘れ去られたということで、問題の解決にはなっていない場合が多いものです。

確かに教会は人々の集まりですが、他の集まりとは大きく違ったところがあります。それは、神によって集められた民であるということです。会社でも学校でも、同好会でもありません。神によって呼び集められた人々、それが教会です。「教会」と訳されている原語は、へブル語で「カハール」、ギリシャ語で「エクレシア」。それは両方とも、呼び集められた集会を意味しています。

教会員は呼び集めてくださった神の望みをこの世界に実現していきます。そのために集められています。主の望みは明らかです。聖書にはっきりと示されているように「全身全霊をもって神である主を愛する」こと。そして「自分を愛するように隣人を愛する」ことです。その実りは平和、赦し、奉仕。そして喜びです。

神の民である教会はいつも「神が望まれる教会」を目指します。「私が、私が……」という自己中心的な思いが教会を教会でないものにしています。そのような教会には人も集まらないでしょう。トラブルを解決するためには互いに向かい合うだけでは足りません。共に主に向かう時に解決していくものです。

常に原点に帰ること。それは「単純なこと」です。

*本稿は既刊シリーズには未収録のQ&Aです。

やまもと・まこと 1953年福岡県生まれ。80年、カトリック司祭となる。81~85年、ローマ在住(教会法研究)。福岡教区事務局長、福岡カトリック神学院院長などを経て、カトリック西新教会主任司祭、西新カトリック幼稚園園長。2019年、来日したフランシスコ教皇に「カトリック新聞」記者として同行した。

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