「マザーハウス」五十嵐弘志氏 性的暴行で逮捕・起訴を受け理事長辞任

受刑者や出所者の社会復帰支援に取り組むNPO法人「マザーハウス」(東京都墨田区)の理事長、五十嵐弘志氏が準強制性交等の罪で逮捕、起訴されたことを受け、同法人は7月18日、理事会において理事長の辞任を承認したと発表した。

毎日新聞の報道によると、五十嵐氏は今年5月、相談者の20代女性宅で「悪霊がついているから清めなければいけない」などと言い、服を脱がせるなどして暴行したという。

五十嵐氏は前科3犯、通算で約20年の服役経験をもつ。獄中で「神の愛の宣教者会」修道女との交流を機にカトリックで洗礼を受ける。受刑者の多くが抱える孤独感や自暴自棄の感情、幼少期の精神的・身体的虐待から来るトラウマ、「出所後の受け入れ先があるか」「仕事に就けるか」といった不安が、現在の矯正施設では十分にケアされているとは言い難いと感じ、ピアサポート団体を設立することを決意。出所後、2012年に「マザーハウス」を立ち上げた。

同法人が活動の一環として販売する「マリアコーヒー」は、フェアトレードのコーヒーとして、生産地ルワンダの生活や産業の発展にも貢献してきた。国内での販売においては元受刑者が製造から販売に携わっており、その収益金はすべて受刑者の更生・社会復帰支援などに使用されている。

同法人によるコメント全文は以下の通り。


【お知らせ】理事長の辞任について

 理事長でした五十嵐弘志は、当法人の行動規範に反した行いがあったと本人から辞任の申し出があり、理事会において理事長の辞任を承認いたしました。

それを受けまして、副理事長である原田昇が、しばらく理事長の代行を務めさせていただくこととなりました。

大変申し訳ございませんが、現在法人としてご説明できることはこれ以上ございません。ご理解賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

マザーハウスは、引き続き、受刑者・出所者のみなさんのために活動をしてまいりますので、今後とも当法人の活動にご支援のほど重ねてお願い申し上げます。

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