理想の総理大臣はどうして現れないのか【聖書からよもやま話410】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は旧約聖書、イザヤ書の26章です。よろしくどうぞ。

イザヤ書 26章13節

私たちの神、主よ。
あなた以外の多くの君主が私たちを治めました。
私たちはただあなただけを、
あなたの御名を呼び求めます。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

現在の日本の政治のトップである岸田文雄さんは、日本の歴史上64人目の内閣総理大臣です。ちなみに初代の総理大臣は明治18年(1885年)に就任した伊藤博文さんです。伊藤さんから岸田さんまで、このおよそ140年の間に、101代64人の人物が総理大臣として日本を治めました。

さて、この64人の中で「これぞ理想の政治だ!」とみんなが認めるような政治をできた人は一人でもいるでしょうか。どの時代も、その時代の総理大臣に対して国民は常に何らかの不満を抱きながら生活していたのではないでしょうか。そしておそらく、いえ、ほぼ間違いなく、これから来るどんな時代も、その時代の総理大臣に対して国民は常に何らかの不満を抱きながら生活することでしょう。政権交代が起ころうが起こるまいが、そのことは総理大臣が人間である限り、変わらないはずです。だって総理大臣も僕たちと何も変わらない一人の人間に過ぎませんから。完全であるはずもないし、完全なことができるわけがないんです。

もしかしたら未来にはAIが総理大臣を務めるような時代も来るかもしれません。それでもそれに対して人々が何らかの不満を抱くことはほぼまちがいないはずです。だってAIだって人間が作ったものに過ぎませんから。不完全なものから完全なものが生まれるはずはありませんから。

しかしだからと言って「政治について何も口を出すな、現状を受け入れろ」なんて言う気はありません。少しでも「マシな」「理想に近い」政治を求めて、政権交代を目指すのもいいでしょうし、デモを起こすこともいいでしょう。しかしそれによって「今度こそ理想の政治がやってくる」と期待してしまうのは期待過剰だと思いますし、その期待を背負う将来の総理大臣さんにとってもあまりに荷が重いと思います。
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理想の政治を行える理想の「王」は、神様以外にいません。人間がそれになることは不可能です。なぜなら人間には物理的な制約がどうしてもつきまとうからです。総理大臣にだって1日は24時間しかありませんし、1年は365日しかありません。同時に複数の場所に行くことはできませんし、毎日食べなきゃいけませんし、お風呂も入らなきゃいけませんし、睡眠だってとらなきゃいけません。どうしたって人間である限り、あらゆる事象に対して十分な時間と労力をかけることは不可能なんです。さらに言えば、たとえ十分な時間をかけたとしても常に正しい判断が保証されることだってないんです。

ですからこのイザヤ書の民も、「理想の政治家を待ち望みます」とは言っていません。「ただあなただけを、あなたの御名を呼び求めます」と言っています。「人間には無理ですから、神様あなたを呼び求めます」と言ってます。

総理大臣でも大統領でも国王でも、人間でしかない存在に対して理想の政治を求めすぎてしまうところに、現代社会の不幸の一因があるように思います。どんな指導者も理想ではない、自分が「次の総理大臣になってほしい」と願うその人もまた理想ではないということを心に留めつつ、少しでも「マシな」あるいは「理想にちょっとでも近い」人が指導者になることを選ぶのが、現代民主主義社会の渡り方なのかと思います。人間でしかない誰かに理想を求めることはその人を神とすることと同じ、即ち偶像礼拝の一つです。それは相手が総理大臣であろうと国会議員であろうと、そうです。

どんなに偉い人だって、人間である限り、みんなを一人残らず幸せにすることはできませんし、誰にも不満を抱かれないような治世をすることもできないんです。それができるのは神様だけ。だからこそクリスチャンは日々「主の祈り」の中で「御国が来ますように」と、神様の治める国の到来を祈るんです。その「御国」は人間の手で実現することはできないんです。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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