【トンガ大規模噴火】教皇フランシスコ、トンガの人々のために祈りを呼びかける

南太平洋の島国トンガ諸島で15日午後5時10分(日本時間午後1時10分)ごろ、海底火山が噴火した。今もなお現地との通信が困難で、被害の全容がつかめていない中、教皇フランシスコは、バチカンで行われた19日の一般謁見で、被災したトンガの人々のために祈りを呼びかけた。バチカンニュースが伝えた。

ローマ教皇フランシスコ(写真:Casa Rosada)

大規模噴火を起こしたのはトンガ沖にあるフンガ・トンガ フンガ・ハアパイ火山。トンガの首都ヌクアロファは、火山からわずか65キロの距離に位置し、同国の多くの地域は火山灰に覆われた。ソーシャルメディアに投稿された動画には、教会や複数の家屋の中に波が流れ込む様子が映り、目撃者の話によると、火山灰は首都に降り注いだという。

教皇は、この火山噴火の被害により困難な状況に置かれたすべての人々に精神的に寄り添うとともに、被災者の苦しみが和らぐよう神に祈られた。また、すべての信者に向けて、「トンガの兄弟姉妹のために心を合わせ祈って欲しい」と呼びかけた。

大規模な被害に緊急の支援が必要とされるトンガに向けて、オーストラリアやニュージーランドのカリタスも動き出している。関係者らは、次のように話している。

「トンガは従来から水問題を抱え、水道水は地下水に頼っていることから、今回の噴火が与えた影響を憂慮し、まず水供給に関する支援を考えている。トンガの関係者と連絡を取りながら、土壌の状態を考慮し、緊急に必要とされる支援を行いたい」

カリタス・オーストラリアによれば、現地から入る情報はまだ少ないが、特に遠隔の島々の被害の大きさが伝わっている。こうした島々では海岸沿いの家は津波の被害が大きく、飲料水のほか、避難所が必要とされているという。また、トンガのカリタスには首都ヌクアロファとハアパイ諸島に緊急物資の備蓄があり、これを至急の必要に役立てることができるだろうとの見解を示した。

トンガの国土 (写真:George McFinnigan)

トンガは、1970年に独立した南太平洋の王国。南北600キロメートル、東西200キロメートルに約170の島群が広がり、約10万人の人々が暮らす。多くが敬虔なキリスト教信者で、教会活動が社会に幅広く根付いており、日曜は教会で礼拝が行われ、商業活動などは原則禁止となっているほどだ。

すでに立ち上がっている募金は次のとおり。

東京オリンピック開会式でトンガ旗手として民族衣装で登場し、注目を集めたピタ・タウファトフアさん(38)は自身のツイッターに「愛する祖国には支援が必要です」と投稿し、災害復興に向けたクラウドファンディングを始めた。トンガをルーツに持つラグビー選手が在籍するシャイニングアークス東京ベイ浦安は、募金活動及び物資支援を実施。日本ユニセフ協会でも、トンガの子どもたちとその家族に命を守るための「自然災害緊急募金」を受け付けている。

 






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