5月15日「ただ再生産するだけの黙認のハンコ」

 「宗教の自由」は、アメリカ人が尊重する四つの自由の一つである。【フランクリン・ルーズベルト大統領が1943年に行った演説で「言論と表現の自由」「宗教の自由」「欠乏からの自由」「恐怖からの自由」と呼ぶ】しかし、「宗教の自由」は、まだ開花していない。わたしたちの憲法は宗教の自由を保証している。でも、実際には、わたしたちの宗教は文化の下に隷属化されていることは明白である。チェスタトン【1874 ― 1936.イギリスの作家、評論家、詩人、随筆家】は、イギリスの20世紀初頭の数十年間における宗教団体が文化風潮に流される様子を見て常に嘆いている。アメリカの20世紀末の数十年間は、まさにそれと帳尻を合わせるかのように一致している。根源的なことも、ダイナミックなことも全くなくなって、ほとんどの宗教は「世俗的な知恵」をただ再生産するだけの「黙認のハンコ」となってしまった。もはやほとんどの宗教はわたしたちを自由へと導くことはない。チェスタトンの言葉を借りれば、ほとんどの宗教はむしろ「(この)時代の子どもであることの屈辱的な奴隷」へと導いているのである。

あなたがたは自分の文化に馴染み過ぎて、知らず知らずのうちに馴染むようになってはいけない。その代わりに、神に注意を向けなさい。そうすれば、あなたがたは内側から変えられる。
―― ローマの信徒への手紙12章2a節

*引用される「聖書の言葉」はピーターソンさんの翻訳・翻案を訳したものです。

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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