「朝鮮半島の平和のための円卓会議」が9日から11日にかけて米国ジョージア州アトランタで行われ、90歳を超えたジミー・カーター元米大統領の講演などが行われた。
日本キリスト教協議会(NCC)のフェイスブックによると、米国からビザを発行されなかった北朝鮮代表者はそこに出席できなかったという。この事態を受け、次回の課題として、北朝鮮代表者を受け入れられる国で開催することが望まれるとしている。
今年、NCC総幹事に就任した金性済(キム・ソンジェ)氏が礼拝でメッセージを語った。
「『悲しみ』は、私たちが人間愛を保つために最も必要な能力の一つです。第2次世界大戦の終結直後、首相となった幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)は、『何のために私たちは戦い、何のために多くの命が奪われたのか』と叫ぶ男性の言葉に心打たれ、『日本は二度と戦争をしてはならない』と心に誓ったのです」
そして、憲法9条制定に至ったマッカーサー(連合国軍最高司令官)と幣原のエピソードなどを語った。
「憲法9条は現在、改憲の危機にあります。しかし、日本のクリスチャンは、いかなる政治の下にあっても、復活のキリストに祈り、希望を持っています。憲法9条の心は、まさに『傷ついた葦(あし)』であり『煙っている灯(ともしび)』なのです」
最後に、朝鮮半島の分裂により民族間で多くの血が流され、家族が引き離された過去を振り返った。その上で、「キリストの十字架の苦難と愛なくして、この悲しみをどのように統一と平和に持っていけばよいのでしょうか」と述べ、次の聖句を引用した。
「はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる」(ヨハネ16:20)