今日10月13日はやなせたかしが亡くなった日。「アンパンマン」の生みの親です。
死去の翌日、「東京新聞」(2013年10月16日付)の追悼記事「人生楽しむ達人」で「ダンディーで信仰あついクリスチャンだった」と報じられました。しかし1カ月後(11月20日付)、「やなせたかしさんをクリスチャンとしたのは誤りでした」との訂正記事を載せています。またネットでは、「聖公会のクリスチャンで、洗礼名はバルトロマイ」、「(アンパンマンは)飢えや空腹に苦しむ人に、自らの顔を分け与える愛と正義のお話」(日本福音キリスト教会連合・春日井聖書教会協力牧師の水谷潔氏のブログ「命と性の日記~日々是命、日々是性」)という情報が掲載されたりしていましたが、これも後に訂正されました(「やなせたかしさんクリスチャン説」は「教会伝説」でほぼ確定)。
インターネットはさまざまな情報が集められて便利であるため、ネット情報のコピーペーストで論文や書籍を作ろうとする人もいます。しかし、このようにその情報自体が間違っていることも多く、先日のスティーブ・ジョブズの「今日は何の日」でも触れたように、まことしやかなネット流言が拡散されてしまうこともよくあります。
そのような間違いを犯さないためにも、本人の言葉(自伝など)や同時代を生きた近しい人の証言といった一次資料にあたることが大切です。後代の資料や伝聞情報などの二次資料、又聞きなどの三次資料はあくまでも参考にとどめて、一次資料まで丁寧に遡りたいものです。
有名な人や有力者がキリスト教信仰を持っていると、クリスチャンにとっては心強い後ろ盾であり、広告塔の役目も果たしてくれますが、逆にその人が問題行動を起こすと、逆にダメージも大きいものです(司祭や牧師の性的虐待問題など)。何より神さまはそんな狭いところを見ておられるのではなく、「一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです」(2ペトロ3:9)。誤った選民思想ではなく、神さまのようにクリスチャンでない人を見ていくことが大切ではないでしょうか。