平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい。(エフェソの信徒への手紙4章3節)
神は永遠の計画に基づき、今は、教会の福音宣教によって全世界にキリストの福音を告げ広める。神は招いた信徒たちの群れによって全地に教会を建て、各個の教会を通して、宣教の業を遂行する。教会が神の宣教を遂行するのは、人の数や財力によらない。今日の聖句が語るように、「霊による一致を保つ」ことによる。教会に争いや不和があるならば、霊の一致は保たれず、教会は神の宣教を担うことも、神に栄光を帰することもできない。霊の一致は、神に招かれた信徒たちが、「その招きにふさわしく歩」(1節)むことによって保たれる。
パウロは、神の招きにふさわしい歩みとして、「高ぶらないこと」、「柔和」「寛容」、「忍耐」の四つをあげる。「高ぶらない」とは、自分の主張を絶対化せず、僕(しもべ)として仕えたキリストに従い、「尊敬をもって互いに相手を優れた者と思」(ローマ12・10)うことである。「柔和」とは、「わたしの軛(くびき)を負い、わたしに学びなさい」(マタイ11・29)と言うキリストに従い、主と共に重荷を担うことによって学ぶ、打ち砕かれた柔らかい心である。人を赦(ゆる)す「寛容な心」、苦しみに耐える「忍耐」、いずれも、生来(せいらい)私たちが持っているものではない。これらは聖霊によって与えられる。霊による一致は、一人ひとりの信徒が、神に召された各個の教会にしっかりと身を置き、礼拝を大事にし、キリストの言葉と聖霊に養われることによって保たれる。
「体(教会)は一つ、……主は一人、……神は唯一」(4〜6節)の言葉に、パウロの勧めが各個の教会を超えて、世界の教会の一致を視野に置いた言葉であることを覚えたい。