ユートピア(理想郷)を見出したトマス・モア

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◆1478年2月7日 トマス・モアの誕生日

トマス・モアは15〜16世紀に活躍したイングランドの法律家・思想家で、1935年にカトリック教会と聖公会で聖人と認定されました。その主な著作は『ユートピア』で、後にマルクスにも引用され、共産主義や社会主義の土台となりました。「ユートピア」という言葉は今では当たり前に使われますが、実はこのトマス・モアによる造語で、「どこにもない場所」と「良い場所」の二つの言葉を合わせたものだそうです。

熱心なカトリック信徒だったトマスさんは、ルターの宗教改革にも反対しましたし、ヘンリー8世が離婚すること、ならびにそれを正当化するためにイギリス国教会の首長になることにも反対しました。もともとヘンリー8世からの信頼は厚かったのですが、このことにより反逆罪に問われ、処刑されてしまいました。

一般的にはキリスト教をはじめ、宗教とは相性があまりよくないとされる共産主義も、源流を辿っていくとキリスト教の聖人に行き着くというのは面白い話です。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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