賛美グループ「Lyre(リラ)」の結成25周年記念コンサートが14日、日本バプテスト連盟・常盤台バプテスト教会(東京都板橋区、友納靖史牧師)で開かれた。長年の活動を支えたファンらが続々と会場を訪れ、あっという間に席を埋めた。
Lyre は1992年、東京基督教大学に入学した女子学生4人によって結成され、94年に男性メンバー2人を加え、初めて学園祭(シオン祭)で歌を披露した。その際、「竪琴」と「ライラックの花」の意味を込めてグループ名を「Lyre」とした。96年、卒業にあたって初めて自主制作CDを作り、その後もいのちのことば社からアルバムを出し続けるとともにコンサートを行ってきた。
現在、リーダーの宮脇栄子さんは単立・広星キリスト教会(茨城県)信徒、塚田献さんは日本伝道福音教団・高田聖書教会(新潟県)牧師、小山晶子さんは単立ペンテコステ教会フェローシップ・栄シャローム福音教会(横浜市)牧師の妻など、メンバーは全国各地の教会に仕えている。そのため、今回は6人のメンバーが揃う貴重な機会となり、チケットも完売した。
「主よ、あなたの声を聞かせて」という曲の誕生エピソードを塚田さんはこのように話した。
「Lyre が結成される前、私は信仰から離れた時期がありました。ブラジルに行って、徐々に信仰が回復する中で生まれたのがこの曲でした。当時はスマホなどはないので、カセット・テープにこの曲を吹き込んで、両親に自分の信仰が回復したことを伝えたのを覚えています。当時、宣教師の先生にこの歌を聞いてもらうと、『賛美は神様から与えられるものだから、大切にしてくださいね』と言われたのです。自分が作った曲など大したことないと思っていたのですが、こうして神様を共に見上げる仲間が与えられ、今もこうして皆で賛美することができるなんて、その時は思いもしなかった。本当にすごいことだと思います」
メンバーの佐々木めぐみさんは現在、高知在住。この25年間、さまざまなことがあり、一時は心身ともに調子を崩したこともあった。しかし高知移住後、圧倒的な自然を前に、創造主である神様を感じた。そして、この聖書の言葉が示されたのだ。「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。わたしの助けは来る、天地を造られた主のもとから」(詩編121:1-2)。
コンサートの中盤では、「わたしたちのこの口は」を観客と共に合唱した。25年間ずっと応援し続けてきたファンの中には、涙を流しながら彼らの歌に聴き入る人の姿も。Lyre の歌と共に信仰生活を歩んできた同年代のファンは、幼い子どもを連れてきていた。
コンサート終了後、ファン一人ひとりと会話を交わし、握手や写真撮影にも気さくに応じた。その列はドアの外まで続いていた。
Lyre は5月にセレクトアルバム「わたしたちのこの口は」(ライフ・クリエイション)をリリースしたばかり。ファースト・アルバム『LYRE』からの20年、7枚目となるが、思い入れのある初期の楽曲を中心に、25年の集大成となる全15曲が収録されている。6月にはファン・ブック『広がる空には』(いのちのことば社)も出した。アルバムに収められた詩をはじめ、書下ろしのイラスト、メンバーの証しなども収められている。