関西学院大、サーロー節子氏へ名誉博士学位記・関西学院賞を授与

関西学院大学(兵庫県西宮市、森康俊学長)は5月10日(水)、核廃絶を訴えるカナダ在住の被爆者サーロー節子氏(91)への名誉博士学位記・関西学院賞授与式を西宮上ケ原キャンパスで挙行した。

画像提供=関西学院大学

サーロー節子氏は同大と関係の深い広島女学院出身で、関西学院神学部を卒業した谷本清牧師によって洗礼を受けてクリスチャンとなった。谷本牧師は広島原爆の被爆者。被爆者としての啓発活動を行い、サーロー節子氏はその影響もあってのちの平和運動へと進んだ。また、関西学院中学部で1953〜55年まで英語教師だったジム・サーロー氏と結婚。58〜62年までジム・サーロー氏が宣教師として同大に再来日された際には、宣教師館(現、オハラホール)に住んで生活されるなど、同大とは深いゆかりを持つ。

今回の授与は、サーロー節子氏が被爆者として長年続けてきた平和活動と、それらの活動をとおして同大のスクールモットーである「Mastery for Service」を体現していることを称えたものだ。サーロー節子氏は授与にあたり、「感動と感激で胸がいっぱい。夫も天国か祝ってくれていると思う」とコメントした。

授与式に続く講演会では、サーロー節子氏本人の被爆体験や、2017年に核兵器禁止条約採択のニュースを聞いた際の心情などが語られた。その後、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞した際に、代表として演説を行った様子の映像が流れ、会場は大きな拍手に包まれた。

講演終了後には質疑応答も行われた。その中で「被爆者が被爆体験を語る意味」について問われると、「被爆は正直に、様々な角度から知られるべき。被爆者の生の声を残していきたい」と語った。学生からは「関西学院大学には平和や人権に興味を持っている学生がたくさんいる。今回のお話は私たちにとって貴重な財産であり、学びの糧となる」という声があった。

 






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