ルーテル学院大学の教会枠入学試験、出願は１１月から

 

ルーテル学院大学（東京都三鷹市、市川一宏学長）には、一般入学試験や推薦入学試験などのほかに、教会の現住陪餐会員（正会員）を対象にした「教会枠入学試験」（推薦と一般）がある（２０２０年度入試要項）。

「教会枠」（推薦）の出願資格は、キリスト教会の現住陪餐会員（正会員）で、下記のいずれかの条件を満たす者。単願者で、牧師（司祭）の推薦状が必要となる。

（１）高校か中等教育学校を卒業した者、または２０２０年３月卒業見込みの者。
（２）通常の課程による１２年の学校教育を修了した者、または２０２０年３月修了見込みの者。
（３）学校教育法施行規則（昭和２２年文部省令第１１号）第６９条の規定により、高校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる、各号のいずれか一つに該当する者、または２０２０年３月３１日までにこれに該当する見込みの者。

出願期間は１１月１８日～１２月２日の郵送必着で、窓口受付は最終日のみ。試験日は１２月７日で、試験科目は小エッセイと面接。合格発表日は１２月１３日で、入学手続期間は１２月１６日～２０２０年１月６日。

「教会枠」（一般）の出願資格は、キリスト教会の現住陪餐会員（正会員）で、下記のいずれかの条件を満たす者。牧師（司祭）の推薦状が必要となる。

（１）高校か中等教育学校を卒業した者、または２０２０年３月卒業見込みの者。
（２）通常の課程による１２年の学校教育を修了した者、または２０２０年３月修了見込みの者。
（３）学校教育法施行規則（昭和２２年文部省令第１１号）第６９条の規定により、高校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる、各号のいずれか一つに該当する者、または２０２０年３月３１日までにこれに該当する見込みの者。

出願期間は２０２０年２月３日～１４日の郵送必着で、窓口受付は最終日のみ。試験日は２月１９日で、試験科目は小エッセイと面接。合格発表日は２月２１日で、入学手続期間２月２５日～３月９日。

ルーテル学院大学は、「キリストの心を心とする」を建学の精神とするキリスト教学校。「汝らキリスト・イエスの心を心とせよ」（フィリピ２：５、文語訳）という聖句に基づく。大学の使命（ミッション）は、「一人ひとりを大切にする教育」を通じて「キリストの心を心として神と世に仕える」人材を育成すること。教育目的は、「心と福祉と魂の高度な専門家を養成する」。

１９０９年、熊本市で路帖（ルーテル）神学校が開校し、ルーテル派の牧師などを養成したのが始まり。６４年、４年制大学「日本ルーテル神学大学」と２年制の「日本ルーテル神学校」に改組した。９６年に「ルーテル学院大学」に改称し、現在に至る。

「総合人間学部」という１学部、「人間福祉心理学科」という１学科の下に「福祉相談援助コース」「地域福祉開発コース」「子ども支援コース」「臨床心理コース」「キリスト教人間学コース」がある。

ルーテル派は、１６世紀のドイツで宗教改革者マルティン・ルターがカトリックから分かれて始めたプロテスタントの教派。ドイツや北欧諸国に多く、そこから米国などに移民して世界中に広がり、現在、全世界に推定８０００万人以上の信徒がいる。日本には、日本福音ルーテル教会（明治に設立され、全国に１００以上の教会を持つ。日本キリスト教協議会加盟）、日本ルーテル教団（戦後設立され、東日本中心に３０ほどの教会を持つ）、西日本福音ルーテル教会、近畿福音ルーテル教会などがあるが、ルーテル学院は、日本福音ルーテル教会と日本ルーテル教団が設立母体で、共同で運営している。ちなみに「ルーテル」とともにある「福音」とは、「福音派」のことではなく、「福音主義」、つまり「プロテスタント」という意味。

プロテスタント諸教派の中でも、英国国教会（聖公会）とは違った意味でカトリックに近い。式文や祈禱文を用いた礼拝を行い、牧師も式服を着るなど、ペンテコステ派のような自由な礼拝になじんでいる人には、儀式的に感じるかもしれない。幼児洗礼を認め、聖餐式も重視されるが、教会政治は教会によってさまざま。