ワールド・ビジョンCEOが来日 支援する教会関係者らと懇談

ワールド・ビジョンの最高責任者(CEO)であるアンドリュー・モーリー氏が妻のヴァネッサ氏とともに就任後初めて来日し、4月3日に都内で、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ、片山信彦理事長)を支援する教会関係者ら約20人と懇談した。同氏は2019年にワールド・ビジョンCEOに就任し、3万4000人以上のスタッフを擁するワールド・ビジョンで100カ国に及ぶ活動の指導的役割を担っている。

アンドリュー氏はかつて、大企業のマーケティング・ディレクターとして勤務。英国国教会の司祭として按手を受け、現在はロンドンのホーリー・トリニティ・ブロンプトン教会(HTB)の牧師でもある。WVで働く以前は、キリスト教のホームレス支援団体でボランティア活動をし、ケニアと南アフリカで児童養護団体の創設と支援にも貢献した。

懇談会でアンドリュー氏は、夫妻で洗礼に導かれるまでの経緯に触れ、司祭になる召命から10年間逃げ続けたことを明かした。また、5年前にタンザニアとケニアの国境付近で出会ったという少女の生い立ちを紹介。彼女は両親に結婚させられた相手から暴力を受け、3度も逃げたが助けてもらえず、WVの事務所に駆け込んだことから医療的支援につながり、現在は医者を志して勉強中だという。当時、彼女は8歳だった。

教会の伝道と人道支援が二分しがちな状況について問われると、アンドリュー氏は「教会には『最も小さい者』に仕える使命がある。そのための実践的方法は、礼拝において自らの繁栄のためではなく、世界の国々のために祈ること。それが会衆の姿勢や考え方を変える一歩になり得る。日本国内にも、祈りが必要な霊的欠乏はある」と応じた。

同夫妻は同日に国際基督教大学(ICU)も訪れ、同大平和研究所主催のシンポジウムで基調講演。「世界で最も光の当たらない場所で見る現実と希望」と題し、活動を通して出会った3人の子どもたちのエピソードから、人道支援団体のリーダーとして目の当たりにした過酷な現実と、和解と平和、希望について語った。

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