Q.クリスチャン同士で付き合い始めたのですが、お互いの信仰の違いでよく衝突し、このまま結婚できるか不安です。(20代・女性)
結婚したいと思えた方と出会えたこと、おめでとうございます。お付き合いを始めて、今がいちばん楽しい時期のはずなのに、信仰のことで衝突してばかりとは辛いですね。こんなことでは結婚したらどうなるのだろうと、不安になるのもよくわかります。まずは、どのようなことでぶつかっているのか、整理してみたらいかがでしょうか?
例えばそれは、礼拝の形式とか、賛美やお祈りの仕方とか、献金に対する考え方とかでしょうか? あるいは、イエスが神であるかないか、三位一体を信じるか信じないか、聖書を神の言葉と信じるか信じないかといった、キリスト教の根本的な教えの部分でしょうか?
前者は、人間が定めたものであったり、解釈の違いだったりするものです。教会によって解釈の仕方や考え方、やり方が異なるわけですから、お互いの通う教会が違えば違ってくるのも当然でしょう。同じ教派、教団であっても、牧師やその教会の歴史や伝統が違うのですから、違いは出てきます。
結婚後どちらの教会に通うのかという問題も絡んできますが、2人で話し合ってすり合わせていくことはできますか? もし、それが難しいようなら、よく話し合った上で、お2人が別の教会に通うという選択もありだと思います。
後者の違いだとすると、信仰の根本が違うのですから、難しいケースです。その方と結婚するなら、「クリスチャンと結婚する」という考えは捨てたほうがいいかもしれません。
信仰の面で衝突するというのは致命傷のように感じられるかもしれませんが、どんなカップルであっても価値観の違いでぶつかるのは当然のことです。少々乱暴な言い方ですが、休日を家でのんびり過ごしたい人と外に出掛けたい人がぶつかるのと大差ないのです。
それよりも大切ことは、お互いの違いについて、率直に話し合い解決することができるかどうかです。それは結婚生活のための試金石のようなものです。お二人で乗り越えていかれることをお祈りしています。
むらかみ・じゅんこ 慶応義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業。アメリカ・ホイートン大学大学院臨床心理学科修士課程、聖学院大学アメリカ・ヨーロッパ文化学科博士課程修了(学術博士)。中学校、高校のスクールカウンセラーを経て、現在、聖学院大学心理福祉学部心理福祉学科教授。公認心理師・臨床心理士。カウンセリングオフィスお茶の水にて心理相談も行う。