キリスト者として私たちは、「地とそこに満ちるもの、世界とそこに住むすべては、主のもの」(詩編24編)と告白する。私たち人類もその一部である神のユニークで豊かな被造物の管理人としての責任を認識している。しかし、今日の世界を見渡すと、私たちの貪欲さと怠慢のために、生きている地球全体が加速する気候変動に脅かされていることが分かる。「地は乾き、枯れ、世界は衰え、枯れる……」「地はそこに住む者のゆえに汚される……」(イザヤ24章4~5節)。
2022年11月7日から12日にスイスのボッシーで開かれる世界教会協議会(WCC)の執行委員会のメンバーの中には、その地域社会や国家がすでに気候変動の破滅的な影響に直面しているのに、他の国際社会のメンバーにその緊急の訴えを聞き入れてもらえなかった人たちがいる。WCCの代表者は、エジプトのシャルムエルシェイクで開催される国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、エキュメニカル、宗教間、市民社会のパートナーとともに、変化のための緊急提唱、悔い改めのための提唱を行っている。
私たちは、この人為的な大災害の現在と未来の犠牲者のために、また、この共通の存亡の危機に立ち向かうための集団的な国際連帯と緊急行動のために、そして気候正義のために証しし続けるCOP27の兄弟姉妹のために、共に祈りに参加する。
私たちは、WCC第11回総会の「生きている地球:正しくまた持続可能な地球共同体」に関する声明を、またこの声明が各国政府、加盟教会、エキュメニカル・パートナーに表明している訴えを想起し、確認する。私たちは、国連事務総長自身の熱のこもった言葉にある切迫感を共有する。「私たちは、アクセルを踏んだまま、気候(変動)地獄へのハイウェイを走っているのだ。私たちの惑星(地球)は、気候の混乱を不可逆的なものにしてしまう転換点に急速に近づいている」
COP27は、各国政府が共に、化石燃料のない、成長後の、公平で持続可能な明日に向けたロードマップを再認識し、開発し、約束し、実施するための重要な機会であり、地球上の生命にとって最大の存亡の課題に取り組むものである。
COP27での取り組みを支援するため、WCC執行委員会は各国政府に対し、次のことを要請する。
・温室効果ガスの排出量を急速に逆転させるために、より野心的な公約と効果的な行動――特に、気候変動に対する歴史的責任が最も大きく、財政的・技術的能力が最も高い国々によって――を実現すること。
・脆弱な開発途上国が気候変動の緩和と適応を図ることができるよう、特に農業分野に対して十分かつ適時の追加的な気候変動対策資金を提供すること。
・気候変動の最前線にいるコミュニティや国に補償し、彼らの回復力構築の努力を支援するための「損失と損害」融資制度。
・化石燃料の拡大を今すぐ止め、石炭、石油、ガスからの公正な移行を管理するための国際協力。
私たちは、世界中のすべての加盟教会とエキュメニカル・パートナーに対する第11回総会での呼びかけ「このような前例のない、すべてを包含する次元の危機が、言葉と行動の両方で、気候の緊急事態にふさわしい優先的注意を与えること」、そして「持続可能な未来への正しい移行を促進するために、私たち自身の文脈で可能なすべての行動を取ること」を繰り返す。
「主よ、あなたの道を教えてください、私があなたのまことの中を歩むことができますように」(詩編86編11節)
(翻訳協力=中山信之)