ギリシャ正教司祭が府主教に硫酸をかけ逮捕

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麻薬密売の疑いで懲戒処分が決定していたギリシャ正教の司祭が6月23日、アテネのペトラキ修道院で行われた教会会議(シノド)で10人に傷害を負わせ逮捕された。司祭としての資格を取り上げようとヒアリングを行った7人の府主教に対し、37歳の被告司祭が、取り出したスプレー缶で硫酸を浴びせるという凶行に及んだ。目撃者の話によると、7人の府主教が顔や手に火傷を負ったほか、拘留に携わった警官1人と、弁護士、他の聖職者も火傷を負った。

調べによると被告の司祭はギリシャ北部ヴェリヤ教区の司祭で、2017年、コカインを所持していたことが発覚し、教会裁判を受けて聖職位のはく奪が決定されていた。

アリティス・カリニコス府主教は地元メディアの取材に対し、「彼は缶をバッグに持っていた。私は彼が缶を取り出すのを見た時、聖水だと思った」と語った。「目の刺すような痛みで即座に液体は硫酸だと分かった。液体が噴射された直後、他の府主教の顔が歪んで見えた」

健康相のビッシリス・キキリアス氏は、7人の府主教のうち4人は軽傷、他の3人は目の治療と応急処置を要したと報告。警察によると加害者は精神病院に移送され、警察の保護下にあるという。被告司祭は翌日、証言することになっていた。しかし、精神的に証言するにはよい状態ではないとし、法廷を延期することに決めたという。

事件を受けてキリアコス・ミツォタキス首相は司祭の卑劣な犯行を非難した。

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