街の人々の時計がわりになった偉大な哲学者

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◆1724年4月22日 イマヌエル・カントの誕生日

イマヌエル・カントは18世紀に活躍したドイツの哲学者で、近代哲学をまとめ上げた「哲学界の立役者」とも言える人です。彼に触れずに哲学を学ぶことはほとんど不可能だと言えるほどです。

カントは人間の理性の限界を指摘し、人間の理性によって神を証明することは不可能であるとしました。人間の理性は非常に優れたものではありますが、完全ではなく、また無限でもないので、その理性の及ぶ範囲にも自ずから限界があるということです。

これは単に「神の証明」を批判しただけではなく、「理性で割り切れないもの、理性で理解できないものはない。」という理性至上主義を批判したものでもあります。カントは「道徳法則」を人間の従うべき究極の倫理としましたが、その「型」としてイエス・キリストや神を解釈しました。

カントは非常に規則正しい人で、散歩をする時刻ルートも毎日いつも正確でした。ですから彼の住んだケーニヒスベルクの人たちは、散歩するカントの姿を時計がわりにしたのだそうです。そんなカントが一度だけ、散歩の習慣をすっぽかしてしまったことがありました。街の人々は「カント先生になにかあったのか!」と心配しましたが、カントはその日、ルソーの『エミール』を読むのに夢中になってしまって、時の経つのを忘れてしまっただけだったのだそうです。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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