こんにちは。新米クリスチャンのカサイと申します。お目に留めていただき、ありがとうございます。
みなさま、メリークリスマス!
今年はコロナ禍ということもあって、いつもとはちょっと違った雰囲気ではありますが、それでもなんとなくワクワクするのは私だけでしょうか。
子どもの頃の私にとって、クリスマスのお楽しみといえば、ケーキとプレゼント。12月25日の朝は毎年、ドキドキしながら枕元やベランダに隠されたプレゼントを探したものです。
というわけで、今回のテーマは、クリスマスプレゼントです。
そもそも、なぜクリスマスに贈り物をするのでしょう?
クリスマスプレゼントの由来については諸説あるようですが、一つにはイエス・キリストが生まれた日、ヘロデ王に命じられて派遣された東方の三賢人が贈り物を携えて遠路はるばるやってきたことに由来するといわれています。
※もう一つ、サンタクロースの語源になった聖ニコラウスさんの慈善活動が由来だという説もあります
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。 学者たちはその星を見て喜びにあふれた。 家に入ってみると、幼子が母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
[マタイによる福音書2:9-11](聖書協会共同訳)
聖書に書かれている3つの贈り物のうちのひとつが写真の没薬(もつやく)でした。
没薬は、東南アジア原産のカンラン科の樹木の樹脂が空気に触れて固形化したもので、“ミルラ”とも呼ばれています。殺菌作用が強く、古代エジプトではミイラを作る際に腐敗防止に使われていたことから、ミイラの語源になったという説も。
聖書には十字架に架けられたイエスを埋葬する際にも没薬が使われたと書かれていて、この贈り物は将来の“受難”を象徴するといわれています。
その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。 前に、夜イエスのもとに来たニコデモも、没薬とアロエを混ぜた物を百リトラばかり持って来た。
ヨハネによる福音書19:38-39(聖書協会共同訳)
さて、イエス・キリストが生まれた夜、没薬と一緒に贈られた乳香(にゅうこう)も、カンラン科の樹木から取る香料の一種で、樹液が固化するときに透明から乳白色に変化することからその名が付いたのだとか。受難を象徴する没薬に対して、“乳香”は祈りを、もう一つの贈り物である“黄金”は王権を象徴しているといわれています。
産まれたばかりの赤ちゃんに贈るにしては、どれもなんだかヘビィな気もしますが、当時はそれぞれとても貴重で、高価な物でした。これは私の想像ですが、救い主イエス・キリストの誕生を心から喜んだ三人の賢人は、自分が用意できる最上のプレゼントを、真心を込めて献げたのではないでしょうか。
ちなみに、没薬、乳香は、いまも香料として使われていて、アロマショップなどでは精油が販売されています。香りを嗅がせてもらったのですが、没薬はちょっとスパイシーでエキゾチックな香り。高い殺菌作用があり、口内炎や風邪予防など抗ウイルス効果が高いそう。一方、乳香は甘く爽やかな香りで、美肌やアンチエイジングなどの効果が期待できるのだとか。
フレグランスは好みがあるので、プレゼントにぜひ!とはおすすめしにくいのですが、本当に大変だったこの一年の終わり、聖書の時代から受け継がれる香りで、疲れを癒してはいかがでしょう。(聖書の時代ほど高価ではないので、比較的手に入りやすいと思いますよ!)
どうぞどなたさまも、素敵なクリスマスを過ごされますように。