みなさんは、クリスマスはどのように過ごされますか?ほとんどの教会では、イエス・キリストの誕生を祝って、クリスマスミサが行われます。今年は、新型コロナウイルス感染対策のため制限のある教会も多いようですが、本来は信者でない一般の人も自由に参加できるものです。にぎやかなクリスマスも楽しいですが、厳かな雰囲気に包まれた教会でひと時を過ごすのも素敵です。
でも、いくら自由に参加できるからといって、行き慣れない教会の敷居をまたぐのはなかなか勇気がいるものですよね。ここでは、気軽にクリスマスミサに行くためのちょっとした心構えとプチ知識を解説していきます。
クリスマスミサとは?
クリスマス礼拝、クリスマスミサ、どちらが耳になじみやすいでしょうか。プロテスタント教会ではクリスマス礼拝、カトリック教会ではクリスマスミサと呼びます。どちらもイエス・キリストのご降誕を記念する特別な礼拝なのですが、この2つ、実はちょっと違います。
クリスマスミサ?クリスマス礼拝?
英語のクリスマス(Christmas)は、キリストの祭日(ミサ)を意味するChristes maesseからできました。ちなみに、クリスマスをXmasで表しますが、このXは英語のエックスではなく、ギリシャ語表記の「キリスト」の頭文字から来ています。カトリックでは、レオナルド・ダヴィンチの絵画でもおなじみの「最後の晩餐(ばんさん)」を起源とする、キリストの救いに感謝してパンやぶどう酒で聖体拝領(せいたいはいりょう)を行なう祭儀・典礼を「ミサ」と呼びます。これは、カトリック教会の礼拝儀式を指しています。
一方、宗教改革後に新教として生まれたプロテスタントは、「聖書の言葉」が信仰対象となります。礼拝においては、聖書をとおして神様の言葉を学び、神様に感謝を捧げるというものですから、そういう意味では厳密には「礼拝」と「ミサ」とは分けて考えるべきでしょう。しかし、双方ともイエス・キリストの人格と教えをもとにした宗教であることに変わりありません。ただ、重点を置くところが少し異なるだけです。カトリックでもプロテスタントでも、興味のあるほうに行ってみてください。どちらもクリスチャンではない人にも常時門戸を開いています。
クリスマスミサは何をするの?
多くのクリスチャンは4週間かけて、クリスマスの礼拝を待ち望みます。アドベント(待降節:たいこうせつ)と呼ばれる時です。アドベントは、11月30日の「聖アンデレの日」に最も近い日曜日に始まります。近頃では日本でもアドベント・カレンダーを見かけるようになりましたが、これは1から24(もしくは25)まである小さなポケットや窓を開けると中には、かわいいイラストやお菓子が入っていたりします。それを1日ずつ開けて、全部開くと楽しいクリスマスになるというものです。
礼拝やミサでは、聖書朗読をしたり、牧師(カトリックは神父)の説教を聞いたり、お祈りを捧げたりします。「もろびとこぞりて」や「きよしこの夜」などよく知られているクリスマスの賛美歌も歌われるので、ぜひ一緒に歌ってみてください。また、この日のために練習した聖歌隊の演奏なども特別賛美として行ったり、中には著名な音楽家や、説教者を招く教会もあります。
クリスマスミサに参加する服装はどんなもの?
イエス様のお誕生日ということで、いつもよりは素敵な服装で …と普段の礼拝よりもおしゃれをして来られる信徒さんもいますが、普段着でまったく問題ありません。ただ、聖書に「神様の御前にふさわしい装いで」という言葉があります。大抵のクリスチャンはこの言葉に倣(なら)っています。服装については各自の良識に委ねられていますので、特にドレスコードはありませんが、作業着や部屋着、ジーンズなどは避けたほうがいいかもしれません。帽子やサングラスも、礼拝中はお取りいただきますが、やむを得ない事情がある場合は、そのままご出席されて大丈夫です。
何時から始まるの?
時間はそれぞれの教会によって異なります。大抵は10時ごろから始まり、お昼前には終了します。中には、礼拝を何回かに分けて行うところもあります。終了後には、通常ならばクリスマス祝会を行うのですが、今年は新型コロナの影響で、そういった交わりの時間を制限する教会も多いようです。また、平日の25日にクリスマスの礼拝を行う教会もありますが、ほとんどの教会では、25日直前の日曜日に行われるので注意してください。ホームページなどで確認されてから行かれることをおすすめします。
まとめ:クリスマスミサは誰でも参加できます。
このように、クリスマスの礼拝は、みんなでイエス・キリストのご降誕を喜び、お祝いする時です。いろいろなクリスマスの過ごし方があると思いますが、この機会に興味のある教会に足を運び、本来のクリスマスの過ごし方を体験してみてはいかがでしょうか。なお、教会によっては聖餐式(せいさんしき、カトリックでは聖体の秘跡)がありますが、これは洗礼を受けた人のみが対象となります。