9月16日「立ち上がり、歩きなさい」

わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がリ、歩きなさい。(使徒言行録3章6節)

初代教会の信徒たちは、家ごとに集会を持つようになったが、最初の頃は、他のユダヤ人と同様にエルサレム神殿に行き、「祈りの時」(1節)を守った。ペトロとヨハネが神殿に行くと、生まれながら足の不自由な男が運ばれて来た。彼は施しを乞うため、毎日「美しい門」のそばに置いてもらっていた。この人は人々に運ばれ、その日の金銭のあがりを運に期待して生きるまったく受け身の人間であった。この人が何かをもらえると期待して、ペトロとヨハネを見たので、ペトロは彼に今日の聖句を語った。ペトロは「私たちは金銭ではなく、主イエスを信じて生きている。私たちを見て、あなたも主イエスを信じて立ち上がり、歩きなさい」と言った。そして、ぺトロが右手を取って彼が立ち上がるのを助けると、その人は立ち上がって歩き出した。その人は今や、運に身を任せる者ではなく、自分の足で立って生きる者となった。そして、主イエスの名を呼び、神を賛美する者となった。

ペトロたちは、このように変えられた人を見て驚く人々に、この人を立ち上がらせたのは、自分たちではなく、死んで復活した主イエスであると語った。ペトロたちの役割は、主イエスの名を語り、その人が主を信じて立ち上がるのを助けることであった。主イエスを信じるならば、お金や運や境遇に左右されやすい私たちを主はしっかりと立たせて、自立的に生きる者にしてくださる。主イエスを信じて救われた私たちは、ペトロたちのように、人々に主イエスの名を語り、主を信じるように勧め、手助けする役割を与えられている。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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