1月20日「空の鳥を見なさい」

自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、思い悩むな。……空の鳥をよく見なさい」(マタイ6:25)

私たちはともすれば、毎日、何を食べようか、何を着ようかということに終始し、思い悩んでいる。文明が発達し、物が溢(あふ)れる社会になっても、生活の悩みは増す一方である。主イエスは思い悩む私たちに「思い悩むな」と言い、「空の鳥を見よ」と言う。空の鳥は種も蒔(ま)かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。「だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか」(26節)主イエスは「あなたがたの天の父は」と言って、私たちを心にかけておられる父なる神の存在を語り、神への信頼を求める。神は人間を鳥よりも価値のあるものとして創造された。だから人間には、食べたり着たりする生活に終始してほしくないのである。良い食べ物、良い服、良い生活だけを求めて生きる人は、人間を価値あるものとして創造された神の御心に添わない、空しい人生を送っている。「あなたがたの天の父は、これらのものがみな、あなたがたに必要なことをご存じである。何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」(32~33節)。神が私たちに求めていることは、神の支配を信じて神の義を行う者になることである。

「明日のことを思い煩うな。神は明日のことも心にかけてくださるのだから。一日一日を力いっぱい生きなさい」(24節、リビング・バイブル)。神に祈り、聖書から神の御心を聞いて1日を始めるならば、仕事に追われる1日、病に臥(ふ)せる1日も、その日は神に生かされた価値ある1日である。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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