8月12日は日航ジャンボ機墜落事故が起きた日

 

今日8月12日は日航ジャンボ機墜落事故が起きた日です。1985年のこの日午後7時前、日本航空の羽田発伊丹行きボーイング747型機が群馬県の通称「御巣鷹(おすたか)の尾根」に墜落。乗客乗員524人のうち520人が死亡しました。単独機では史上最悪の死者数を出した航空事故です。

群馬県多野郡上野村、御巣鷹の尾根に建立されている昇魂之碑(写真:nattou)

夕方のため、出張帰りのビジネスマンのほか、お盆で帰省する客や夏休みの観光客などが乗っており、歌手でタレントの坂本九(当時43歳)も犠牲となりました。友人の選挙応援のため、東京から大阪に向かう途中でした。

「上を向いて歩こう」や「見上げごらん夜の星を」、「明日があるさ」などのヒット曲がたくさんありますが、1964年に大ヒットした「幸せなら手をたたこう」を作詞したのはクリスチャンです。

坂本九(写真:Kyu9)

元恵泉女学園大学学長(06〜12年)で、現在は東京YMCAアドバイザーを務める木村利人(りひと)さんが59年、早稲田大学の大学院生だった時のこと、フィリピンの農村で行われたYMCA主催の農村復興ワークキャンプに参加しました。

そこはかつて太平洋戦争で日本軍が上陸して激戦が繰り広げられたところです。終戦から14年経っても、「日本人である私は快く迎え入れられず、手を差し伸べても払いのけられるような雰囲気でした。離れて見るだけで近づいてこない人。刺すような眼差し。私はショックを受けました」(YMCA「幸せなら手をたたこう──名曲誕生のストーリー」

そんな中で現地の一人の青年と出会います。

「君が戦争でフィリピンの人を殺したわけじゃない。だからぼくたちが、日本人が来たら殺してやりたい程に思っていたのは間違いだった」と(彼は言いました)。そして手をとって、「今日は君が新しい世代の日本人として、再び武器をとって戦わないように誓う出発点にしよう」と言って、戦争が人を狂わせること、戦争の残酷さを確認し、聖書を読み、お互いに涙を流しながら祈りました。その時に読んだ聖書が「詩篇」47章の「すべての民よ、手をたたこう」です。この体験が後の作詞につながりました。(同)

帰国後、現地の子どもたちが歌っていたスペイン民謡のメロディーにのせて、日本の子どもたちと歌うようになります。それを坂本が偶然耳にして、レコード化すると、全国的にヒットしたのです。

戦争も墜落事故も多くの人の命が奪われた悲しい出来事です。でも、そういうことが2度と起こらないよう、神に向かって手をたたきたいものです。

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