朝祷会年頭集会に全国から信徒ら集う 会報に「カルト」への注意書き明記へ

カトリックとプロテスタントの教職・信徒らが協力して超教派運動を展開する朝祷会全国連合(松本芳哉会長)の第53回年頭集会が1月20日、山崎製パン企業年金基金会館(千葉県市川市)で開催され、「朝祷会のリバイバル」との主題のもと全国の各ブロックから約60人の同会メンバー「祷友」が集まった。

開会礼拝、閉会礼拝ともエキュメニカルな形で行われ、それぞれ髙祖敏明氏(カトリック聖イグナチオ教会主任司祭)、高橋宏幸氏(日本聖公会東京教区主教)が説教を担った。司会は野村晋一氏(目白カテドラル朝祷会)。

コロナ禍を経て、現在も全国で約70の朝祷会が活動を継続している。集会では2023年度の活動報告、会計報告について協議したほか、日本エキュメニカル協会など諸団体との連携に努め、「教会一致祈祷週間のつどいなどに積極的に参加し、朝祷会への参加を呼びかける」との提案を盛り込んだ2024年度の活動計画を承認した。朝祷会は会費制をとらず、会報「朝祷誌」の購読料収入と献金によって運営されているが、メンバーの高齢化などに伴う財政的な課題をどう克服するかについても意見が交わされた。同誌の編集責任者は93歳。

今回は特別議案として、「朝祷誌」の末尾に注意書き「朝祷会は、カルトとは関係のない団体です。」を加筆する旨の提案があり、副会長の甲斐征次氏(市川朝祷会)が提案理由を説明。実際に、カルトとされる団体からの参加希望があり、綱領に「イエスをキリストと信ずるすべての人々に開かれた超教派の祈りの運動」とあるものの、根拠を示して出席を断るのに苦心したとの実体験が報告された。早稲田朝祷会のメンバーによると、近くに異端の教会があることから、出席者には必ず所属教会を聞くことにしているという。

参加者からは「『カルト』と『異端』は違う。注意書きを加えるなら『異端』とすべき」「一概に異端・カルトだからとシャットアウトするのではなく、趣旨に賛同できるなら迎え入れてもいいのではないか」「朝祷会の綱領に『使徒信条』の文言を入れるのはどうか」「カルトか否かは霊的に教えてくれるからはっきり拒否できるはず」などの意見が出された後、原案のまま賛成多数で承認された。

朝祷会は1957年、14人のキリスト者による大阪朝食祈祷会として始まり、今年で67周年を迎える。

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