イスラエル情勢受け日本YWCAが声明 「あらゆる暴力の即刻停止」を

日本 YWCA(藤谷佐斗子会長)は10月11日、「あらゆる暴力の即刻停止と、パレスチナへの軍事占領の終結を求めます」と題する声明を発表した。

声明は「市民を対象とした殺害・軍事攻撃は戦争犯罪」であり、どんな立場や理由があっても許されないと非難し、非暴力による平和を求める立場から、「ガザ地区に連れ去られた捕虜の解放、住居・学校・モスク・民間施設を含むガザ地区への空爆・軍事攻撃の停止を含め、すべての暴力の即時停止」を求めた。

今回の事態の背景に、「長年にわたるイスラエルによる軍事占領」があるとした上で、「大規模な軍事衝突のニュースなどによる一時的な注目が止んだ間にも、パレスチナの人々に対する人権侵害は日常的に繰り返され、エスカレート」「国連決議を含む再三の指摘にもかかわらず、国際社会は明確な国際法違反の状況の継続を許してき」たと指摘。

日本YWCAは、世界YWCA運動の一員として「パレスチナの女性たちに連帯し、正義ある平和の実現を求めて活動」している立場から、改めて「すべての主体によるあらゆる暴力の即刻停止と、イスラエルによるパレスチナへの軍事占領の終結」を求めた。

声明の全文は以下の通り。


声明「あらゆる暴力の即刻停止と、パレスチナへの軍事占領の終結を求めます」

日本 YWCA
会長 藤谷佐斗子
総幹事 山本知恵

日本YWCAは、2023年10月7日にイスラエルの複数箇所がハマス戦闘員による攻撃を受け、またその直後からイスラエル軍によってガザ地区に攻撃が加えられ、女性・子どもを含む多
数の死傷者が出ていると報道されている状況を、大きな衝撃とともに受け止めています。暴力的に命を奪われた人たち、家族や友人、住居や生活を奪われた人たち、今も生命の危機にさらされながら、恐怖のただ中にいる人たちの痛みを思います。

市民を対象とした殺害・軍事攻撃は戦争犯罪であり、どのような立場にあっても、どのような理由があっても、許されることではありません。非暴力による平和を求める立場から、ガザ地区に連れ去られた捕虜の解放、住居・学校・モスク・民間施設を含むガザ地区への空爆・軍事攻撃の停止を含め、すべての暴力の即時停止を求めます。

この事態の背景には、長年にわたるイスラエルによる軍事占領があります。1948年に数十万のパレスチナ人が故郷を追われて以来、パレスチナの人々は分断され、基本的な人権と尊厳を否定されてきました。ガザ地区は2007年から軍事封鎖され、200万人以上の住民が移動の自由やインフラへのアクセスの制限をはじめ、過酷な状況での生活を余儀なくされています。大規模な軍事衝突のニュースなどによる一時的な注目が止んだ間にも、パレスチナの人々に対する人権侵害は日常的に繰り返され、エスカレートしてきました。国連決議を含む再三の指摘にもかかわらず、国際社会は明確な国際法違反の状況の継続を許してきました。

日本YWCAは、アジア・太平洋戦争の敗戦以後、戦争の恐怖と理不尽を経験してきた一人ひとりの声を深く受け止め、また軍国主義と侵略を止めることができなかった歴史への反省を持って、非暴力による平和を求めて声をあげてきました。また、世界YWCA運動の一員として、パレスチナの女性たちに連帯し、正義ある平和の実現を求めて活動しています。その立場から、すべての主体によるあらゆる暴力の即刻停止と、イスラエルによるパレスチナへの軍事占領の終結を求めます。

関連記事

この記事もおすすめ