とくぜん・よしかず 1月3日、老衰のため都内の病院で逝去。90歳。コロナウイルス感染予防のため、1月7日に日本福音ルーテル市ヶ谷教会で親族のみによる葬儀を行った。司式は浅野直樹氏(日本福音ルーテル市ヶ谷教会牧師)。後日、記念会を予定している。
1932年東京生まれ。東京大学工学部卒業、立教大学大学院修士課程修了、日本ルーテル神学校卒業、ハンブルク大学神学部留学・ハイデルベルク大学神学部にて在外研究。神学博士。専攻は歴史神学(宗教改革)。ルーテル学院大学・日本ルーテル神学校教授、同神学校校長、同ルター研究所所長、神戸ルーテル神学校客員教授、日本キリスト教協議会(NCC)議長、日本エキュメニカル協会理事長、日本神学教育連合会(JATE)会長、東北アジア神学教育連合会(NEAATS)会長などを歴任。『ルター著作集』(聖文舎)をはじめ、膨大なルターの著作を日本語に訳した。『自由と愛に生きる──『キリスト者の自由』全訳と吟味』『マルチン・ルター──生涯と信仰』(教文館)のほか翻訳多数。著書に『マルティン・ルター:ことばに生きた改革者 』(岩波新書)ほか。
世界ルーテル連盟(LWF)ではカトリックとルーテル間の国際対話委員会メンバーとして、日本国内でも1984年以来、日本福音ルーテル教会とカトリック教会、聖公会の間で積み重ねてきた対話協議において中心的役割を果たした。その成果は『カトリックとプロテスタント どこが同じで、どこが違うか』(徳善義一・百瀬文晃 編、教文館、1998年)、「義認の教理における共同宣言」(1999年、日本語訳は教文館、2004年)、2014年11月30日に聖マリア大聖堂で開かれたエキュメニズム教令50周年を記念する「カトリック・聖公会・日本福音ルーテル教会合同礼拝」、2017年11月23日に長崎のカトリック浦上教会で開かれた日本福音ルーテル教会とカトリック司教協議会による「宗教改革500年共同記念『平和を実現する人は幸い』」(シンポジウムと礼拝)として結実した(約1300人が参列)。2014年にはキリスト教功労者に選ばれ、2017年にはエキュメニカル功労賞を受賞した。