カトリック司教団「統一教会はキリスト教ではない」 協力の誘いに警告 〝政治〟でなく〝教理〟で判断 【再録】1985年11月2日

 『キリスト教年鑑』が統一協会の情報掲載を取りやめる判断を下した1989年に先駆けて、カトリック司教団は85年の段階ですでに「キリスト教ではない」との公式見解を表明していた。併載された「統一教会超教派部長」のコメントと合わせて再録する。なお、この段階ではまだ一貫して「統一協会」と表記する前の段階だったことを考慮し、当時の原文通り「統一教会」の表記を使用している。

統一教会の「抗議・質問」に「回答」

 日本カトリック司教団が「統一教会(世界基督教統一神霊協会)はキリスト教ではなく、エキュメニズム(教会再一致運動の対象でもない」という声明(六月二十二日付)を発表して以来、両教会の間で「抗議・質問」(七月二十九日付)の提出、それへの「回答」(十月九日付)といったやり取りが続いている。この「回答」はカトリック司教団としては最終的なものというが、前回の「声明」の主張を再確認している。カトリック教会側は、今後は諸委員会が統一教会側との対話に応じ、場合によっては、この件での神学的な〝公聴会〟のようなものを設定してもよいと積極的だが、統一教会側は対話続行の姿勢は見せているものの、これまでと異なり論争は避けたいと消極的で〝公聴会〟にも乗り気ではない。

 統一教会は、その「基本見解」の中で「本教会は、旧約・新約聖書を『教典』とするキリスト教の教団である」と言明している。この見解をカトリック教会が全面的に否定したところから、統一教会の質問はまず、その理由の明示に向けられた。回答は次のようだ。

 「カトリック教会によってキリスト教として認められうる団体は、キリスト教の本質的・基本的なことを承認する団体である。それが具体的になんであるかを明らかにすることは簡単なことではないが、もっとも本質的・基本的なことは、確かに、イエス・キリストのほかに人類を救うことのできる者はいない(使徒行録四・一二参照)という信仰である。したがって、カトリック教会は、人類の救いが「わたしたちの罪の故に死に渡され、わたしたちを正しい者とするために復括された」(ロマ四・二五)イエスによって全うされず、「イエス…と接触し」(『原理講論』三八ページ)た別の人物が人類の完全な救い主であるということを基本教理とする宗教団体をキリスト教として認めることができない」

 また、「…貴司教団が、あえて、『キリスト教ではない』などと宣言することは、当教会に対する不当な干涉であり、自由な宗教活動に対する著しい妨害である」という「抗議・質問」に対しては、次のように回答している。

 「…当司教団が、カトリックの信仰によれば貴教会の教理はキリスト教の基本的なこととは異なるという見解を述べることは、『自由な宗教活動の妨害』ではない。他の宗教団体の教理についての自分の判断を述ベることは、各教団の自由な宗教活動の一部分である。貴教会も、たとえばローマ教皇は『使命を完遂できなかった』(原理講論五〇五ページ)『現下のキリスト教』は『灰色に塗られた墓場のことく形式化してしまつた』(同上二七ページ)などと言っているときに、このような判断を述べている」

 統一教会がエキュメニズムの対象となりえないという司教団の判断に対しては、「回答」は次のように答えている。

 「…貴教会は、キリスト教の一教団と認めえないものであるから、キリスト教の諸教団の再合同を目的とするエキュメニズムの対象ともなりえない。当司教団は、キリスト教以外の諸宗教に対する対話の精神を、貴教会に対しても持っているつもりであるが、貴教会の教理によれば『天の側にちかい宗教(すなわち貴教会)の行く道を妨害する…宗教はサタン側に属するようになる』(原理講論五四一ページ)とされているから、貴教会との対話は極めて困難であると思わざるをえない。なお、当司教団は、貴教会の根本的な教理に賛成できないゆえに、カトリック信者に、貴教会が主宰する運動や会合に関与しないようにと警告したのである」

 「回答」は、その他、「キリストによる啓示の完成」「キリストの神性」「あがないの理念」などを論じ、再三、統一教会とキリスト教との絆を断ち切ろうとしている。なお「回答」は「当司教団の『声明』は、政治的な理由で出されたものではなく、教理的な理由で発表されたものであるから、共産主義に対する態度のいかんはなんの関係もない」と付け加え、話し合いの続行も可能としている。

「司教団の誤解を解きたい」梅本・超教派部長

 カトリック教会側の「回答」に対して統一教会側は現在、正式の「コメント」を準備中だが、梅本憲二・統一教会超教派部長は、現段階での感想として次の三点を挙げている。

 ①対話の姿勢が残されていることを評価したい②極めて権威主義的な姿勢が表れており、遺憾である③今後もカトリック司教団の誤解を解き、真の一致のために努力したい。

*参考 日本カトリック司教団「世界基督教統一神霊協会に関する声明」https://www.cbcj.catholic.jp/1985/06/22/4022/1985年6月22日(定例司教総会において)

『キリスト教年鑑』が統一協会の掲載をやめた理由 【再録】『キリスト教年鑑』と世界基督教統一神霊協会 1989年3月25日

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