中南米で初めて、コロンビアが5月12日、医師による自死介助(自殺ほう助)を非犯罪化した。憲法裁判所が可決した法案により、医師は裁判に訴えられることなく患者の自死を助けることができるようになった。裁判所は「激しい苦痛や深刻な病気を患い、自分の人生を自由に決定する人を助ける医師は、憲法の範囲内で行動できる」と決定した。ブラジルの現地邦字紙「ブラジル日報」が報じた。
コロンビアではすでに医師が致死薬を患者の体内に注入できる安楽死が合法化されているが、この判決により、患者本人が医師から処方された致死薬を服用して自殺する自死介助が認められる。これまでは刑法により、患者本人が病気で自死を決心したとしても、自殺を助けた人は懲役12~36カ月の罰を科せられた。憲法裁判所は賛成6票、反対3票で、刑法のこの条項を廃止した。
コロンビアでは1997年に終末期患者に限定した安楽死が非犯罪化された。2021年7月からはさらに、終末期でなくとも、肉体的・精神的に激しい苦痛に襲われている患者にも容認された。中南米では唯一、安楽死を合法化する世界でも数少ない国の一つであるにもかかわらず、コロンビアの法律は今まで、人生の終末期に自死を決心した人を誘導または支援した人を罰していた。
判決では「医師の監督下で、厳格な規定のもとに自死介助を行うことは犯罪ではない」としており、「身体的傷害または重篤な不治の病による激しい身体的または精神的苦痛」のある人々にのみ自死介助が許可される。裁判所は、判決の中で、「依然として存在する障壁を取り除く」ために「尊厳をもって死ぬ権利」を法制化するよう議会に求めた。(CJC)