第4回となる聖書動画コンテスト・アワード(日本聖書協会主催)が13日、アルカディア市ヶ谷私学会館(東京都千代田区)で開催された。「変わらない言葉を、変わりゆく世界に」をテーマに、聖書に基づいた動画19作品の中から、最優秀賞(1作品)、優秀賞(3作品)、作品賞(5作品)、奨励賞(10作品)が決定した。会場には、作品のクリエーターや制作関係者など、約70人が集まった。
今回は、昨年のように作品の内容で部門分けをせず、作品の時間で1ミニッツ(1分以内)と3ミニッツ(3分以内)の2部門に分けて応募が行われた。その後、昨年12月に聖書協会内で審査されてから、審査員(同協会総主事の具志堅聖さん、福音ネット伝道協力会の小川政弘さん、星美学園講師の小林由加さん、日本基督教団・横浜明星教会牧師の網中彰子さん)による選考が行われ、3ミニッツ部門に14作品、1ミニッツ部門に5作品がノミネートされた。
最優秀賞に選ばれたのは、藤山恵さんの「言葉の力」(3ミニッツ部門)。「いじめを食い止めよう」との思いから、「優しい舌は命の木である、乱暴な言葉は魂を傷つける」(箴言15:4、口語訳)が引用され、見終わった後に余韻が残る感動作だ。
藤山さんは受賞の喜びを次のように語った。
「第1回目で奨励賞をいただいてから4年間、『映像を通して神様の真実と聖書の言葉を伝えていきたい』というビジョンを持って学んできました。今後さらにインターネットが発展し、映像による人の心への影響力はますます大きなものになると思います。このコンテストのようなプラットフォームができ、人がここに集まってくることは本当に感謝で、これからいろいろなかたちでのコラボレーションが生まれたらいいなと思います。日本だけでなく世界中の人が映像を通して神様を知ることができるよう祈っています」
優秀賞は、関西学院高等部宗教部の「ハジマリニカシコイモノゴザル」(3ミニッツ)とAMIKOUMU☆(アミコム)の「愛の訓練──Love is patient, Love is kind.」(同)、玉縄からの物体Eによる「アプリ『Bible』」(1ミニッツ)の3作品。
「ハジマリニカシコイモノゴザル」は、日本語聖書翻訳の過程を想像して映像化したもので、聖書箇所は「初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であった」(ヨハネ1:1)。「愛の訓練」は、「愛は忍耐強い。愛は情け深い。……」(Ⅰコリント13:4〜7)を関連聖句として、聖書の教えである「愛」を訓練で身につける姿を描いたもの。「アプリ『Bible』」は、「弟子たちの間で、自分たちのうち誰がいちばん偉いかという議論が起きた。……」(ルカ9:46〜50)という箇所を基にして、未熟な弟子たちを、チャットで喧嘩(けんか)をする現代人に重ね合わせた作品。
作品賞5作品には、それぞれの作品にふさわしい賞名がつけられた。天川愛子さんの「一匹の羊」にはハートウォーミング作品賞、聖隷クリストファー中・高等学校放送部の「What is unseen?」には撮影技術作品賞、TOKYO・PAULさんの「旅人の荷物」はユニーク作品賞、Mejigakuin Chapel’s Membersの「Do for Others」はCM作品賞、Ezo’n Music featuring Pure Filmの「切り紙と三味線による『聖書のおはなし』」はアート作品賞という具合だ。
最優秀賞には賞金20万円と副賞として「中型聖書 聖書協会共同訳(引照・注なし)」(記念箔押し)、優秀賞には賞金5万円と「小型聖書 聖書協会共同訳(引照・注なし)」(記念箔押し)、作品賞には賞金2万円と副賞は優秀賞と同じ、奨励賞には図書カード5000円分と副賞同じがそれぞれ贈られた。
表彰式のあと、審査員による総評が行われた。礼拝で唱える使徒信条がラップになるなど、若い人のアイデアに驚かされたといい、「これからも映像を通して分かりやすく御言葉を伝え、感動を与える作品を期待している」と励まし、最後に審査委員長の具志堅さんがこう締めくくった。
「年々、審査員を悩まし、うならせる作品が出てきています。牧師は言葉で伝えることを訓練していますが、映像では、1分でも人の心に届く。3分だと、まさにストーリーがビジュアルになる世界です。だから、これがもっと用いられたらと思っています。今後はさらに聖書動画コンテストのことを広め、さまざまな作品が出品されることを期待しています」
第5回聖書動画コンテストの募集期間は20年4月1日〜10月31日の予定。テーマや募集要項は決定次第、ホームページで発表される。
なお、今回の結果発表された動画はユーチューブで見ることができる。