2017年の宗教改革500年を機に教派一致(エキュメニズム)への一歩を青年たちで踏み出したいとの趣旨で企画された「えきゅぷろ!」が、このほど2022年の開催に向けた計画を公表した。これまで、カトリック、日本福音ルーテル教会、日本基督教団、日本聖公会などの青年有志による「エキュメニカルプロジェクト実行委員会」を中心に、年1回の「えきゅぷろ!」を開催してきたが、コロナ禍で先の見通しが立たない中、2年後の2022年に「えきゅぷろ!」を開催することを目標に、「えきゅぷろ2022」プロジェクトとして進めることとなった。
コロナ禍でスタッフ同士が集まることが難しくなった今年春ごろから、オンラインによる近況報告を機に、「コロナ禍の教会ではどんな課題や問題があるのか」との話題になり、「えきゅぷろ2022」のテーマを「ポストコロナ時代の教会像の共有」とした。
第1弾の企画として10月24日(土)午後1時から「教会どうでしょう(仮)」、12月下旬に「えきゅぷろクリスマス会(仮)」の二つを予定している。
「教会どうでしょう(仮)」は、連続シリーズとして、コロナ禍で教会が抱える課題や対策のノウハウなどを広く共有し合うオンライン事例報告会。第1回は「オンライン礼拝の可能性」をテーマに、カトリック東京カテドラルでのミサを司式している菊地功大司教と配信担当者の田村慎一さん、日本福音ルーテル市ヶ谷教会の青年を招く。コロナ禍でYouTubeでの配信を開始した東京カテドラルの主日ミサは、毎週1万回以上の再生回数を記録しているが、手探りで始めた経緯と、ミサを配信する意義、今後の展望などについて聞く。また市ヶ谷教会の青年からは、9月に開催したユース礼拝で行った実験的な試みの経緯と思いを聞く。事前申し込み制で、申し込み詳細は後日発表される。
「えきゅぷろクリスマス会(仮)」は、クリスマスにおける各教派の特色、特徴などを共有しながら、テゼスタイルの祈りやクリスマスにまつわるトーク、賛美歌、朗読、聖劇、クイズ形式のレクなどを盛り込み、クリスマスへの思いを馳せる時間にするという。実行委員会では、企画趣旨について「各教派のエキュメニカルな立場をそれぞれ前面に押し出しつつ、最終的には『クリスマス会』の中でスタッフと参加者の中に『相互理解』が生まれることを目指すべきなのではないのだろうか。今、キリスト者に必要なのは他者の話を真摯に傾聴し、互いに尊重し合う『対話の場』。このクリスマス会が『祈り』という共同作業を通して『善き御業』を得られることができれば幸いである」と綴っている。
スタッフはオンラインによる対話を重ねる中、「自分と教会の関係性やあり方について不安に感じていること」や「不安になっている自分に対して教会には何を求めるか、何ができるか」について考えを共有。「新しい人とつながれない」「今ある人とのつながりを保てない」「礼拝に行けない」などの課題をふまえて「えきゅぷろ2022」プロジェクトの方向性を見出したという。
共同代表のゆりさん、あんなさんは、「集まることを前提にしていた各々の教会が、集まることを忌避するようになった社会で、教会のあるべき姿とは何だろうか、我々は何ができるのかを皆さんと共有する場にできれば。2年間を通して、コロナ禍で分かってきたそれぞれの教会が抱えている課題にじっくり向き合い、『えきゅぷろ』だからできることを見出し、形にしていきたい」と意気込みを語る。
キリスト新聞社は「えきゅぷろ2022」プロジェクトと公式にコラボレーションし、さまざまな共催企画を予定している。