4月30日 創世記28章18〜19節

ヤコブは次の朝早く起きて、枕にしていた石を取り、それを記念碑として立て、先端に油を注いで、その場所をベテル(神の家)と名付けた。
創世記28章18〜19節(参考箇所同書28章10〜22節)

ヤコブは父イサクの命に従い、妻をめとるためベエル・シェバを立ってハランヘと向かいます。彼にとって新しい生活を切り開くためへの人生の旅が始まったのでありました。その旅の途次(とじ)、とある場所で夜を過すことになり、そこで天に至る階段があり天使が上り下りしている夢を見るのです。その中で神は、ヤコブにこの土地を彼と子孫のために与え、どこまでも共にいて守ると約束されます。これは大きな祝福の言葉でありました。彼は旅の途次、思いもよらず受けた祝福を記念し、寝ていた石の枕をとって記念碑とし、そこを神の家ベテルと名付けたのでした。

神の祝福は思いがけない所で、思いもよらず与えられることを教える出来事です。そのことを記念してヤコブは寝ていた石の枕をとって記念碑としました。祝福はたまたま止まった場所、寝ていた時のことであったからです。

彼がその所をベテルと名付けたのは、神の臨在を経験した場所であったからです。わたしたちにとってのベテルは、教会でありましょう。教会こそ人生の旅の途次、思いもよらず、祝福を受けるため神が備えてくださった場所であります。記念とすべき石の枕がきっとそこにあると思われます。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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