旧約時代の人たちは毎週おせち料理を食べていた!?【聖書からよもやま話181】

主の御名をあがめます。

皆様いかがお過ごしでしょうか。MAROです。
今日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

毎回、新旧約聖書全1189章からランダムに選ばれた章を読んで、僕の心に浮かんだ事柄を、ざっくばらんに話してみようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、  出エジプト記の35章です。それではよろしくどうぞ。

◆出エジプト記 35章3節

安息日には、あなたがたの住まいのどこであっても、火をたいてはならない。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

旧約時代のイスラエルの人たちは、神様からのこの命令により、週に一度の安息日(旧約の時代には土曜日です)には火を焚くことさえ許されなかったんです。それって厳しくない?とも思いますが実は日本にも似たような習慣があって、その名残は現代にまで残っています。

その習慣とはおせち料理です。平安時代の頃から正月には、火の荒神を怒らせないために火を使ってはいけないという決まりがあり、それで大晦日のうちに火を使わないでも食べられる料理を作り置きしておいて、正月にそれを食べるという習慣が生まれました。これがおせち料理の起源です。これに加えて、洗い物をしてはいけないという決まりもありました。今でもお正月には使い捨ての木の箸を使う習慣が残っていますが、これはこの「洗い物をしない」という決まりの名残りです。

・・・ということはです。旧約時代のイスラエルの人たちはこの意味では毎週お正月を迎えるようなものです。きっと金曜日に火を使わずに食べられる料理を用意して、土曜の安息日にそれを食べていたことでしょう。つまり、毎週おせちを食べていた、ある意味すなわち「毎週お正月!」という状態だったと思われます。
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これらの決まりは「みんながちゃんと休めるように」と定められたものです。「休んでいいよ」と言われてもなかなか立場とか性格とかで休めない人はいます。しかし「休まなくてはならない!」と命令形にすれば休む人も増えます。「火を使ってはいけない」というのは「火が使えないんだから仕方ないよね」と、労働者が堂々と休める理由を与えている規定だとも言えます。現代で言えば勤務時間外や休日には会社のパソコンの電源を入れてはいけないという規定のようなものです。「パソコンが使えないんだから休むしかないよね」と、これによってみんな休みやすくなります。

現代でも「毎週一回は料理をしてはいけない日!」と決めてしまうのは、主婦さんや主夫さんの負担を減らすのに良いかもしれません。現代ならわざわざ保存食を作らなくても宅配サービスとか冷凍食品とか、いろいろと便利なものもありますからね。「しなくてもいい日」ではなく「してはいけない日!」と決めてしまうのが、本当にしっかり休むためのコツなのかと思います。

それではまた明日。

主にありて。
MAROでした。

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横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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