第42回日本基督教団総会開催 12年ぶりの新議長に雲然俊美氏を選出

新議長に選出された雲然俊美氏

第42回日本基督教団総会が9月27〜29日、ホテルメトロポリタン(東京都豊島区)で開催された。コロナ禍のため4年ぶりに対面開催となった総会のテーマは「礼拝から愛のわざへーー試練の中で日本伝道の推進」。総会1日目には、雲然俊美氏(秋田桜教会牧師)が12年ぶりとなる新議長に選出された。同教団が速報で伝えた。

初日の開会礼拝では、平野克己氏(代田教会牧師)が「罪人の集い・あわれみの主」と題して説教し、「教団総会が、集まることが喜びとなるような、あわれみのある場となっているか」と問いかけた。

新議長選挙は初日夜のセッションで行われ、有効投票338票のうち185票を獲得した雲然俊美氏が新しい議長に選出された。次点は、久世そらち氏(札幌北部教会牧師)で138票。ここ数回の総会では、複数回の投票によって議長が選出されてきたが、今回は1回目の投票で、同教団で長く書記を務めてきた雲然氏に決定した。

また、副議長と書記も新たに選出。新副議長には、藤盛勇紀氏(富士見町教会牧師)、新書記には黒田若雄氏(高知教会牧師)がそれぞれ選ばれた。藤盛氏は、1回目の投票では決まらず、2回目の投票で有効投票340票中182票を得て当選を果たした。その後、議長・副議長から書記として黒田氏が推薦され、議場が承認した。

新議長に選出された雲然氏は、5期12年にわたって議長の任を担ってきた石橋秀雄氏に感謝の言葉を伝えた後、沖縄教区をはじめ地方の教会に心を向けながら次のようにあいさつした。

「教会も教団もキリストの体なる教会として立つことがすべて。沖縄教区について心痛めており、祈り、課題とする。立ち位置としては地方の小規模教会。そのことが教団の豊かさであると信じ、その立ち位置からぶれずに務めたい。お祈りお支えを願う」

新たな三役のもと、総会2日目の午後のセッションでは、機構改定検討に関する報告会が行われた。第40回教団総会で、教団の将来的な教勢・財政の危機的状況を共有することから機構改定の検討が始まり委員会を組織してきたが、機構改定に関わる教規変更案の提出には至らなかった。そのため、常議員会との約束に従って、その経緯が報告され、機構改定に関する意見交換が行われた。そして、3日目の冒頭から、機構改定に関する諸議案が議論された。

閉会間際には、九州教区から提出された二種教職制の是非を問う審議に入った。これは、「1940年の第二次世界大戦下に宗教団体法に従って不可抗力的に採るに至った二種教職制をぜひ解消してほしい」というもので、今回で3度目の提出となる。会場からは「議長団は、このように大切な議案を短い時間で審議するに至ったことを謝罪してほしい」との声が上がった。結局、十分な審議ができないとの理由で再度取り下げることになった。その他にも、各教区から提出された14議案が上程できず廃案となった。

総会閉会後、深澤奨氏(佐世保教会牧師)は「九州教区の二種教職制の是非も含め、今回も各教区からの議案を一つひとつ丁寧に取り上げることができないという結果になり、たいへん情けない。これから機構改定に向けて全教団が課題を担っていくということ、沖縄教区がここに戻ってこれるという思いを醸成することにもマイナスになったと判断している」と振り返った。

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