遺愛女子中学・高校がキャロリング 函館市内にキリスト誕生の喜びを届けて

 

プロテスタントのミッション・スクール、遺愛(いあい)女子中学校・高等学校(福島基輝校長)は5日、毎年恒例のクリスマス・キャロリングを函館市内で行った。今年は、188人の生徒がグループに分かれて、病院や教会、幼稚園や福祉施設、JR函館駅や商業施設など市内17施設を訪れ、美しい歌声を響かせた。

「クリスマス・キャロル」とは、キリスト誕生の喜びを伝える「荒野の果てに」「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」などの賛美歌のこと。教会に集まった子どもたちが賛美歌を歌いながら近所の家を訪ねる「キャロリング」はクリスマスの風物詩だが、同校のキャロリングも30年以上の歴史を持つ。

「聴いてくれる人々が喜んでくれるよう、生徒たちは心を込めて歌い、手作りのクリスマス・カードを手渡すなど、よい交わりの時となりました。聴いてくださった皆さんの心に少しでもクリスマスの喜びと慰めが届いていたら幸いです」と同校の担当者。

遺愛女子中学・高校は1874年に創設され、その4年前に設立された女子学院(東京)やフェリス(横浜)に次いで歴史がある女学校だ。創立者はM・C・ハリス夫妻。クラーク博士のもと札幌農学校で学んだ内村鑑三たち札幌バンドのメンバーに洗礼を授けた宣教師として有名だ。特にフローラ夫人は日本女性の教育の必要性を痛感し、来日した年に日々学校(Day School)を開設したのが遺愛学院の始まりといわれる。

また夫人が米国メソジスト監督教会婦人伝道局の機関誌でそのことを報告したところ、カロライン・ライト夫人が亡き娘のために蓄えていた教育資金1800ドルを献げたという。これが「遺愛」の名の由来となった。そして1882年、函館・元町の高台に洋風の校舎が開校された。

古くは、石坂洋次郎の青春小説「若い人」の舞台である高校のモデルとなった同校だが、その美しい校舎やキャンパスは多くの映画やドラマ、CMでも使われてきた。中でもジェームズ・ガーディナーが設計した本館校舎(本館)と、「ホワイトハウス」と呼ばれる旧遺愛女学校宣教館は国の重要文化財に指定されている。

著名な卒業生として、石川啄木の娘の京子、元ジュディー&マリーのYUKI、叶和貴子や中原理恵がいる。

 






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