ワクチン接種巡り欧米でも反応さまざま

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新型コロナウイルスのワクチンを巡り、宗教上の理由から接種に反対するカトリックとバプテストの医療関係者17人がニューヨーク州を相手に義務化の差し止めを求めた訴訟で、司法当局は9月14日、医療従事者が宗教上の免除を主張した場合は義務化を一時的に停止するとの仮処分命令を出した。米メディアCNNが15日報じた。

訴状によると、原告は医師9人と看護師5人のほか、リハビリテーション・セラピストたち。ニューヨーク州が求めた接種義務化を「違憲で非合法だ」と主張。「義務化は、恐怖と不合理な雰囲気の中でなされた決定だ」とも指摘している。

接種義務化に関する議論はここにきて活発化。医療関係者や多くの政府関係者は、米国民を守り、コロナウイルスの拡散を遅らせるためにもワクチンの接種は必要な措置だとの見解を表明している。

米報道サイト「CNNビジネス」によると、新型コロナウイルスワクチンを接種しないと誓っていた米保守系ラジオ司会者で牧師のロバート・エンヤート氏が、新型コロナの合併症のため死去した。番組のフレッド・ウィリアムズ氏が13日、SNSで明らかにした。両氏のラジオ番組のウェブサイトでは先月、新型コロナ感染症に関する更新があり、エンヤート氏と妻が「ファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンの接種をしないと誓った」ことが明らかにされていた。

米国ではこのところ、マスクに不満を示したりワクチンに懐疑的な見方を表明したりしていた保守系ラジオ司会者がコロナ合併症で亡くなる例が相次いでいる。

一方、スイス連邦政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議は14日、妊娠中の女性について、妊娠後期に新型コロナのワクチンを接種するよう勧告した。スイス公共放送協会(SBC)の国際部「スイス・インフォ」(日本語版)が紹介している。妊婦はこれまでもワクチン接種を受けることができたが、事前に医師の診察を受け、同意書に署名する必要があった。今後はその必要がなくなる。

連邦予防接種委員会のクリストフ・ベルガー委員長は、授乳中の女性や妊娠を計画している人にも勧告すると述べた。ワクチン接種の利点が重症化のリスクを上回ることを示すデータが蓄積されていると説明し、妊娠中の女性は感染すると重症化して入院したり、集中治療室に入ったりする危険性や、流産のリスクが高まると話した。

また、新型コロナのワクチン接種を受けた約15万人の妊婦の安全性に懸念事項はなかったという米国の報告データも提示し、英国、フランス、最近ではドイツでもワクチン接種が推奨されていると強調。ワクチンが女性や男性に不妊症を引き起こすという証拠はないとも述べた。(CJC)

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