2019年参院選⑤ クリスチャン議員の当落は?

 

21日に投開票された第25回参院選は22日未明、改選124全議席が確定した。

自民党は改選66議席から9議席減らし、57議席だったが、公明党の14議席(3議席増)と合わせて71議席となり、与党で改選議席の半数62を超えた。自公の非改選73議席と合わせると144議席となり、全245議席の過半数(123議席)も超えた。そのため、衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」にはならず、引き続き安定的な国会運営が可能になる。

「改憲勢力」では、与党の自・公と、憲法改正に前向きな日本維新の会の16議席(獲得10、非改選6)を合わせて160議席となるが、改憲発議に必要な参院の3分の2(164)には4議席足りなかった。

立憲民主党は、改選の9議席の倍に迫る17議席に伸ばし、非改選の15議席と合わせて32議席となった。17年の衆院選に続いて第2党になる。

クリスチャンの立候補者の当落を見ていこう。

牧山弘恵氏(自身のツイッターから)

立憲民主党は二人。神奈川選挙区(改選数4)では、現職の牧山弘恵(まきやま・ひろえ)氏(54)が74万2658票(20・4%)を獲得し、2位で3選を決めた。

藤田幸久氏(自身のツイッターから)

比例代表では、立憲民主党現職の藤田幸久(ふじた・ゆきひさ)氏(69)が2万8679票(正午時点)で落選。当初、藤田氏は国民民主党の公認候補として出馬を表明していたが、立憲民主党に移籍し、茨木選挙区ではなく、比例代表で出ることになった。

市来伴子氏(自身のツイッターから)

もう一人、立憲民主党公認だったが、無所属となった山梨選挙区(改選数1)の市来伴子(いちき・ともこ)氏(41)は15万327票(43・2%)で落選。社民党の東京都杉並区議だった市来氏は、党との調整がつかないまま山梨から立憲民主党公認で出馬すると発表し、社民党が市来氏を除名。その後、立憲民主党は野党共闘を重視するとして公認を取り消し、無所属での出馬となった。

羽田雄一郎氏(写真:内閣官房内閣広報室)

国民民主党は一人。長野選挙区(改選数1)で現職の羽田雄一郎(はた・ゆういちろう)氏(51)が51万2462票(55・1%)を集め、5選を果たした。

公選法上の政党要件を喪失する危機に立っていた社民党は、前党首である吉田忠智(よしだ・ただとも)氏(63)が14万8937票(正午時点)の得票で当選し、国政復帰することになった。得票率が比例代表でかろうじて2%を上回り、政党要件を満たすことが確実となった。

山本太郎(やまもと・たろう)氏率いる「れいわ新選組」は公示前、政党要件を満たさず、諸派扱いのため、一般紙やテレビではあまり報道されなかったが、動画やSNSなどのネットで注目を集めた。比例区で政党名票120万6549票、山本氏個人が97万6192票(2013年の参院選では66万6684票)、拉致被害者家族の蓮池透(はすいけ・とおる)氏が2万255票などを獲得。得票率では社民党をダブルスコアで上回り、政党要件(2%)を余裕で超えて、224万3878票で4・5%以上に達した(正午時点)。

ただし、特定枠の筋萎縮性側索硬化症の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)氏(61)と重度障害のある木村英子(きむら・えいこ)氏(54)が比例代表では優先的に当選するので、山本氏は落選した。とはいえ、特定枠の二人を決めたのは、支持者の危機感をアピールする戦略だったと見みられる。また、山本氏は落選しても、介助者として登院し、スポークスマンとして取材に答えることが予想され、さらに、政党要件を満たしたことで山本氏も党首討論に参加できる。国会議員ではなく大阪市長である日本維新の会の松井一郎代表のように。

ちなみに、諸派ではほかに「NHKから国民を守る党」が97万5151票を集めて得票数が2%を上回った。

選挙当日の有権者数は約1億588万人。投票率は、選挙区が48・80%、比例代表が48・79%。選挙区では、前回2016年参院選の54・70%を5・90ポイントも下回まった。50%を割り込むのは、過去最低だった1995年参院選(44・52%)以来、24年ぶりで、過去2番目に低かった。

投票率が上がったのは、0・82ポイント増の高知県だけ(46・34%)。最も下げ幅が大きかったのは青森県(12・37ポイント減の42・94%)。21県の選挙区では過去最低を更新した。全国で投票率が最も低かったのは徳島県で38・59%。前回2016年参院選より約8ポイント低下し、2回連続で過去最低を更新した。投開票日の21日、台風5号に伴う大雨も影響して、福岡県、佐賀県、長崎県、鹿児島県で10ポイント以上低下し、九州では佐賀県を除く6県が過去最低となった。

期日前投票者数は1706万2771人に上り、前回2016年より約108万人増え、参院選で過去最多となったが、投票日当日が低調だった。

選挙区を見てみると、与野党候補が激戦を繰り広げ、自民党現職が野党共闘の無所属新人に敗れた選挙区の投票率は比較的高くなった。

山形選挙区(改選数1)では60・74%。元山形放送アナウンサーの芳賀道也(はが・みちや)氏(61)が、自民党現職の大沼瑞穂(おおぬま・みずほ)氏(40)の再選をはばみ、初当選を決めた。ただ、前回の2016年は62・22%なので、1・48ポイント下回った。

岩手選挙区(改選数1)では56・55%。元パラリンピック日本代表の横澤高徳(よこさわ・たかのり)氏(47)が、自民党現職の平野達男(ひらの・たつお)氏(65)の4期をはばんで初当選した。ただ、前回の57・78%を1・23ポイント下回った。

秋田選挙区(改選数1)は56・29%。元衆議院議員秘書で主婦の寺田静(てらた・しずか)氏(44)が、自民党現職の中泉松司(なかいずみ・まつじ)氏(40)の再選をはばみ、初当選した。しかし、前回の60・87%から4・58ポイント下がり、これまでの参院選(補欠選挙を除く)で2番目に低かった。

 






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