【能登半島地震】 〝地域支援と教会支援を両輪で〟 能登ヘルプ代表 岡田 仰さんインタビュー

北陸地方全域を襲った能登半島地震から3カ月。長く被災地での支援を滞らせた断水被害は、七尾市で4月1日に解消されたものの、今も珠洲市、輪島市、能登町などを中心に石川県内で6000戸以上で継続している。一次避難所には現在も約3700人が避難しており、復興への道のりはまだ遠く険しい。被災直後から諸団体、諸教会の協力によって活動してきた能登ヘルプ(能登地震キリスト災害支援会)代表の岡田仰さん(金沢独立キリスト教会牧師)に話を聞いた。

――能登ヘルプ結成までの経緯を教えてください。

岡田 すでに長い間、石川県には「放送伝道協力会」という福音派の牧師を中心とした交わりが作られていました。私はその会長でしたので、1月1日に能登半島地震が起こって何人かの先生方から、ぜひ立ち上がろうと呼び掛けられ、広く関係者に支援を呼びかけ、1月5日に初めて集まりました。その中には、東日本大震災、熊本地震など、災害の経験を通して立ち上がった全キ災(キリスト全国災害ネット)の先生方がおり、そのノウハウやアドバイスを教えていただけたことは本当に幸いでした。

――「能登ヘルプ」名称の由来を教えてください。

岡田 最初の会議で何か一つ名称を決めることになり、東北ヘルプの話を聞いていたことから、やはり「能登ヘルプ」じゃないかなと思い、提案したところ承諾いただきました。

――被災支援の経験がもたらした成果についてお聞かせください。

岡田 東日本大震災、九州、広島での豪雨災害を通して、福音的グループを中心とした災害に対応するネットワークができていたということ、それらに対する関心が非常に高く、被災支援が培われていたということが今回も非常に速い動きを生んだのではないかと思います。

私たちは当初から二つの支援を打ち出しました。一つ目は地域支援。世の人々に対する愛、神の愛としての働きです。二つ目は、兄弟姉妹に対する愛としての教会支援の働きです。能登ヘルプではこの二つで被災支援を行うと定め、支援金を募る最初の段階からそのように働きかけました。両方のバランスを保つことが大切ですが、むしろ地域支援の方に比重があるぐらいの方がいいというのが私の思いです。

輪島塗は仏壇にも使われるものですが、間違いなくは輪島の基幹産業の一つです。地域支援という意味では、そうした産業の復興にも尽力します。東日本大震災の被災地以上に、今回の能登半島地震の被災地は過疎地です。地域の方々がどれだけ立ち上がることができるのかというのが、一つの復興課題だと思います。

――教会外の支援活動について、どこに原点がありますか?

岡田 関西学院大学での学びが大きかったと思います。災害時の被災支援にも教会の使命がある、真っ先に被災地に入っていくという意識をいただけたことは幸いでした。在学中には釜ヶ崎にも行きましたし、阪神・淡路大震災の時にも、すぐに被災地支援へ向かいました。

関西学院のモットーは〝Mastery for Service〟「仕えること」。何よりも「愛」が最も大事だということで、支援を行うことは当然という思いがありました。これは政治的スタンスや神学的立場、聖書解釈という問題ではなく、「善きサマリア人」として隣人に関わる足元の課題だと学びました。

――現在はどのような支援活動を行っていますか?

岡田 主に炊き出し活動から始めましたが、次第に支援の要請が来るようになりました。徐々に道路が整備され、被災した家屋にも入っていけるようになってから、現在は重機を導入したことで、さっそく必要とする方々から依頼をいただいています。

――能登地方ならではの宣教の課題についてお聞かせください。

岡田 宣教師が来られた当初から伝道には苦心されていました。いまだに耶蘇の「や」、キリストの「キ」と聞いただけで、拒否反応が示されるという事例を聞いてきました。そのような状況の中、今までよく続けてこられたなと。逆に今回の支援が、キリスト教会が教会の名を掲げながら地域に入っていくことができる初めての機会になると思います。

――能登ヘルプの役割と今後の支援についてお聞かせください。

岡田 今後、いろいろな支援が進んでいく中で見えてくる、行政では見落とされやすいところにできるだけ関わって支援をしていくことが、私たちのありようではないかと思います。皆さんにはぜひ、ボランティアに来ていただきたいです。そこで祈りながら働かれるだけでも意味があると思いますし、多くの諸団体、諸教会からご支援いただいていて、神様に用いられる適切な働きとなるようぜひ祈っていただきたいです。

クリスチャンである以上、具体的に被災地で伝道するかしないかということは別として、東日本大震災の後に教会が生まれたように、能登にも新たな教会が生まれ、キリストの十字架の花が咲いていくという実りにつながれたらと願っています。また、そのような実を一つでも二つでも残していくことができれば、能登ヘルプらしい働きになるのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

<活動日について>

能登ヘルプの活動日は火曜から土曜です。日月がお休みとなりますので現在事務所拠点となっている内灘聖書教会へのお問合せ等もお控えください。

<ボランティア募集のご案内>

ボランティアを募集しています。本日、5月末までの募集を開始いたしました。ボランティア要項を必ずご確認の上、ボランティア申込Googleフォームよりお申し込みください。

↓ボランティア申込フォーム・募集要項はこちら↓
https://forms.gle/vpDMqkrdkkan8krw8

※ボランティアの受付完了・日程のご連絡は支援チーム「kyuki.noto@gmail.com」からメールにて行っています。迷惑メールに振り分けられていることがありますのでお申込みされた方は受信設定もしくはフォルダのご確認をお願いいたします。

<物資の受入れについて>

◼物資の受入は一時中断中です。◼
受入を一時停止しています。倉庫の整理をしながら、春・夏に向けての必要も考える必要がありますのでまた改めてニーズを挙げさせていただきます。

<支援金について>

支援金の振込先・領収証の発行等の各お問合せは事務局までメールにてお願いいたします。
2024notohelp@gmail.com

▼能登ヘルプ(能登地震キリスト災害支援会)Facebook https://www.facebook.com/notohelp
▼能登ヘルプ公式サイト https://notohelp.bousai.network/
▼全キ災(キリスト全国災害ネット) https://zenkisai.net/
▼九キ災(九州キリスト災害支援センター) https://kyusyuchristdrc.wixsite.com/kumamoto

能登半島地震 緊急現地レポート&インタビュー(5) 岡田 仰(能登地震キリスト災害支援会=能登ヘルプ)
 






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