Q.礼拝に行く時、「何を着ようか」と思い悩んでしまいます。どんな格好でもいいのでしょうか?(20代・女性)
日常生活の中で、私たちは用途別に身につける衣服を使い分けます。会社や学校に行く時、家庭でくつろぐ時、遊ぶ時、寝る時……、それぞれにふさわしい装いがあると考えるからでしょう。
では礼拝にふさわしい服装とは? 使徒パウロは、礼拝で女性がかぶりもの(ベール)をつけるよう厳しく指導しました(コリントの信徒への手紙11章)。それは、あまりに自由奔放な考えにひきずられ、礼拝を軽んじる人々がいたためです。パウロは、何よりも礼拝の中で神を畏れる心が損なわれることを危惧し、周囲の人々の誤解を招かないように細かく配慮しました。
礼拝は、生ける神と向き合い、賛美をささげる時です。神の御言葉を聴いて悔い改め、キリストの恵みに応答し、新たに歩み出す出発点です。今、1週間でいちばん大切な時を過ごしている! もし、その自覚があれば、礼拝にふさわしい服装がきっと見つかるに違いありません。
尊敬する恩師や先輩に会う時、私たちは身なりをきちんと整えます。ボサボサの頭、汚れた服を着ていては失礼だからです。英語で「サンデーベスト」といえば、日曜日の礼拝に着ていく上等な服を指すそうです。
もちろん、高価な服装であればよいといわけでもないでしょう。レプタ二つをささげたやもめのように、うわべでは貧相な身なりをしていても、神によろこばれる礼拝者はいます。
厳密にいえば、礼拝においても、形式と内容はいつも一致するものではありません。それでも、繰り返し信仰の原点に立ち帰り、感謝と喜びを表す装いを身につけ礼拝をささげたいものです。
*本稿は既刊シリーズには未収録のQ&Aです。
やまなか・まさお 精神科医、日本アライアンス教団千葉キリスト教会牧師。 1951 年高知県生まれ。高知高専、広島大学医学部、日本アライアンス神学校卒。日本アライアンス教団関東教区長。マザーズ・カウンセリング・セン ター(MCC)運営委員長。著書に『こころの診療室』(日本キリスト教団出版局)、『うつ病とそのケア』(キリスト新聞社)など。