ご飯を食べるとき、世界の食卓に思いをはせて 世界食料デー@きりたん大会

 

10月16日は「世界食料デー」。世界の9人に1人が飢えに苦しむ一方、生産される食料の3分の1が廃棄されている。そうした現状に目を留め、食料問題を考えて行動する世界共通の日として、1981年に国連が制定した。この日をきっかけに自分の生活を見つめ直し、世界の人々と共に生きる生き方を実践する人が増えることが「世界食料デー」の願いだ。

ハンガーゼロ(大阪府八尾市)では、10月、11月を通して、全国の各会場でさまざまなイベントを実施する。その幕開けとなる「世界食料デー@きりたん大会」が4日、大阪キリスト教短期大学で行われ、学生や一般参加者を合わせて約230人が来場した。

まず、ジャズ・ピアニストの Malico(マリコ)さんが、児童向けの曲をジャズ風にアレンジしたメドレーや軽快なジャズ・ナンバーなどを披露。最後は Malico さんの伴奏に合わせて全員で合唱するなど、会場を盛り上げた。演奏の合間に、同校の卒業生でもある Malico さんから、幼児教育を学ぶ学生たちに向けて応援メッセージを送り、また、「世界で飢餓に苦しむ人々を支援するため、自分のできることをやっていきたい」と語った。

その後、ハンガーゼロ理事長の清家弘久さんが講演を行い、「飢餓問題解決のためには、私たちが『誰かのために』行動を起こし、よりいっそう力を合わせていくことが大切です」と呼びかけた。

コンゴ民主共和国で撮影したハンガーゼロの活動を紹介する映像も上映され、実際の支援地の様子が報告された。会場内には、今年の食料デー募金の支援国を紹介する写真パネル・コーナーも設置して「1食分募金」をアピールした。

「1食分募金」とは、日本にいる私たちが食卓につくとき、世界の総人口72億人の食卓のことを考え、すべての人が食べられる世界を目指して、自分にできることを始めるきかけとして1食分を募金することだ。

今年の募金は、おもに以下のプロジェクトに使われる。

●コンゴ民主共和国:農業支援/コミュニティー開発支援
●カンボジア:子ども教育/コミュニティー開発支援
●フィリピン:コミュニティー開発支援
●ルワンダ:学校教育支援
●ケニア:学校教育支援
その他

「ホームページからの募金は1000円以上になりますが、一口いくらなど、特に決まりはありません。1食ワンコインの人も、それ以上、それ以下の人もいらっしゃるでしょう。皆さんの一つ一つの行動を『始まり』として、世界へつなげていきたいですね」と広報担当の鶴浦弘敏さん。

昨年の「1食分募金」の総額は1393万4728円。募金の方法は、各会場や協力教会、またインターネットや郵便振替でも受け付けている。詳しくはホームページを。

守田 早生里

守田 早生里

日本ナザレン教団会員。社会問題をキリスト教の観点から取材。フリーライター歴10年。趣味はライフストーリーを聞くこと、食べること、読書、ドライブ。

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