東京神学大学(東京都三鷹市)は、教職者を対象とした「継続教育」を4月から開講する。現在、受講生を募集しており、前期募集の締め切りは3月7日まで。
教会やキリスト教学校などにおいて、すでに牧師や伝道者として働いている教職者が対象。正教師や補教師を問わない。
同大大学院博士課程前期課程の科目の中から、各自の問題意識に合った受講科目を選ぶことができる。実際に伝道や牧会、教会形成、教育の現場にいたからこそ、そうした問題意識を持てると言えよう。
同大の「継続教育」は30年以上続いている。過去には、週1日片道3時間以上かけて「継続教育」に参加した人もいる。
神学的なリフレッシュや継続的な研鑽(けんさん)、教会形成や伝道の課題に取り組む姿勢の再構築のため、また現代神学の先端的な課題に触れる場として、同プログラムは活用されてきた。
大学院の学生と一緒に学習するため、現役の神学生にとっても、実際に現場で活躍する教職者と机を並べて学ぶことは有益な刺激となる。
「教会やキリスト教学校においても、教職者が継続教育を受ける意義を理解して、時間や費用の点でできるだけ便宜と協力をはかってほしい」と同大では期待する。
授業は前期と後期に分かれて行われており、旧約聖書神学や新約聖書神学、組織神学、歴史神学、実践神学の中から科目を選ぶことができる。受講料は1科目(1学期分)につき1万4000円。授業開始は、前期は4月6日、後期は9月20日から。
日本基督教団・愛宕町(あたごまち)教会(山梨県甲府市)の宍戸俊介(ししど・しゅんすけ)牧師(54)は、同大を卒業後、継続教育に参加した。当時のことを次のように振り返る。
「あの頃は週1日でしたが、毎週、名古屋から新幹線に乗り、日帰りで通っていました。教会史的な興味からクラスに参加しましたが、卒業後もこういったプログラムを用意してくれたことを思うと、本当に面倒見のいい学校だと思っています。
1993年に卒業して数年経った頃でしたが、当時は時間に追われ、毎日の仕事をこなすので手いっぱいで、今後のことを考える余力もありませんでした。体だけは動かしながら、霊的な危機に陥っていたのです。
継続教育プログラムに参加することは、時間的にも費用的にもたいへんでした。しかし私の場合、このための時間と費用をかけなければ、おそらく忙しさにかまけて、何もやらなかっただろうと思います。
そこでは、信仰の表し方についての自分の考えが今まで狭かったことに気づかされました。『あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるよう熱心に努めなさい』(1コリント12:31)という御言葉が大きな励みでした」
継続教育の申し込み・問い合わせは、東京神学大学教務課(電話:0422・32・4185)まで。