間もなく始まる秋学期を前に、関西4大学(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の学長は14日、新型コロナウイルスの感染防止に関する共同声明を発表した。
関関同立の通称で知られる、関西大学(芝井敬司学長)、関西学院大学(村田治学長)、同志社大学(植⽊朝⼦学長)、立命館大学(仲⾕善雄学長)の4大学は、6日に持たれた学長懇親会において、今後各大学でキャンパスの開放が進む中、新型コロナウイルス感染防止の徹底をどのように周知させていくかを話し合い、その結果、学長連名で感染防止の徹底を呼びかけることになった。
声明では、適切な感染予防措置を講じた上で、秋学期はキャンパスを可能な限り開放し、対面授業とオンライン授業を併せて実施していく予定であることを伝え、学生たちがキャンパスでの充実した学びを継続するために、学内外で行動する際に「3つの密」を回避すること、コンパ・飲み会・食事会を当面自粛することを強く求めている。また、感染の可能性は誰にでもあると述べ、感染者への誹謗(ひぼう)中傷は決して許されることではないと強調。「学生一人ひとりが、感染拡大防止のためにどのように行動すべきかを真剣に考え、責任のある行動をとられるよう心から願うものです」と結んでいる。
4大学のうちの一つ、関西学院大学(兵庫県西宮市)では、春学期は一部を除き原則オンラインで授業が行われた。それでも、入学してから一度も大学に入れない1年生のために、7月のゼミの授業を14回のうち1,2回は、対面で授業ができるようにしたという。秋学期は、23日から始まるが、授業は、対面授業とオンライン授業を併用して行い、全授業のうち約4分の1は対面授業となる。また、これまではキャンパス内は、一部のクラブ活動を除いて原則立ち入り禁止の措置が取られていたが、23日から学生は自由に入ることができる。
同大では今後、感染が広がることがなければ対面授業も増やしていきたいと考えてる。しかし、学内でクラスターが出てしまえば、再び立ち入り禁止の措置を取らざるを得なくなるため、大学独自でも学生たちに注意喚起を呼びかけている。
「新型コロナウイルス感染防止に関する関西4大学学長共同声明」全文は以下のとおり。
2020 年 9 月 14 日
新型コロナウイルス感染防止に関する関西4大学学長共同声明
関西大学 学長 芝井 敬司
関西学院大学 学長 村田 治
同志社大学 学長 植⽊ 朝⼦
立命館大学 学長 仲⾕ 善雄現在、人類は新型コロナウイルス感染症の拡大という未曾有の危機に直面し、国内の各大 学も春学期は長期間にわたるキャンパスの閉鎖とオンラインでの授業実施という、これま で経験したことのない緊急対応を迫られました。感染の拡大と収束が繰り返される中、国は 新しい生活様式を導入し、経済活動と感染防止を両立させる道を模索しようとしています。
関西4大学は、この社会状況の中にあって、適切な感染予防措置を講じた上で、秋学期は キャンパスを可能な限り開放し、キャンパスでの対面授業とオンライン授業を併せて実施 していく予定です。私たちは学生の皆さんに学ぶ機会とキャンパスライフをできる限り保 障していくことが、大学として果たすべき責務であるとの考えを共有しています。
しかしながら、学内外で学生同士が交流する機会が多くなることは、感染リスクが高まる ことにつながります。感染に気づかず学生がキャンパス内で活動した場合に、クラスターが 発生する恐れがあり、その範囲が大規模なものとなることが懸念されます。これまでに各大 学の学生の中にも感染者が出ていますが、その感染経路の多くは、学外での会食や飲み会で あることが判明しています。
私たち関西4大学の学長は、学生の皆さんがキャンパスでの充実した学びを継続するた めにも、また、学生、教職員、そのご家族の生命と健康を守り、地域における感染拡大を防 止するためにも、学生の皆さんに対して、学内外で行動する際に3つの密(密閉・密集・密 接)を回避すること、コンパ・飲み会・食事会を当面自粛することを強く求めたいと思いま す。ただし、いくら行動に気を付けていても、感染の可能性は誰にでもあります。感染者へ の誹謗中傷は決して許されることではありません。それは、感染を隠すことにもつながり、 結果的に感染拡大を招くこととなります。学生一人ひとりが、感染拡大防止のためにどのよ うに行動すべきかを真剣に考え、責任のある行動をとられるよう心から願うものです。