墓地の心配から解放されてほしい【インタビュー】エレクシアサポート代表 榊哲夫さん(前編)

 

富士霊園(静岡県)と大阪メモリアルパーク(大阪府大東市)にあるクリスチャン共同墓地「園(その)の墓」を運営管理するエレクシアサポート株式会社(神奈川県川崎市)。同社代表を務める榊哲夫(さかき・てつお)さんに話を聞いた。

榊哲夫さん

榊さんは1957年生まれ。大学卒業後、松下電器貿易(現:パナソニック)で4年間働き、フリーの株トレーダーになったが、その時に聖書に出会い、単立ニューライフ・キリスト教会(大坂府三島郡)で洗礼を受けた。86年に電子計測器の会社に入社し、98年には代表取締役に就任するが、2008年に代表を退き、翌年、愛知県にある神学校に入学。10年、聖地旅行でハーベスト・タイム・ミニストリーズ代表の中川健一氏に出会い、ハーベスト聖書塾に入塾した。12年7月に按手を受け、現在、ハーベスト・タイム・ミニストリーズのスタッフも務める。

──エレクシアサポートの働きについて教えてください。

墓地について不安を覚えるクリスチャンのために、安心できる墓地を安価で提供しています。ハーベスト・タイム・ミニストリーズと共同で、設立から今年で7年になります。共同墓地というかたちは決して珍しくありませんが、クリスチャンの共同墓地というのは当時ほかにはありませんでした。

──どのようなきっかけで始められたのでしょうか。

1998年に関西から関東に引っ越してきたのですが、数年の間、所属する教会のない「教会難民」になっていました。その時、「いま自分が死んだら、葬儀は誰がしてくれるのか。お墓はどうなるのか」といった不安がありました。この体験をしたことで、似たような境遇にある人たちのための働きをしたいと思い、設立したのがエレクシアサポートです。墓地を所有する教会に所属していないクリスチャンの方々が、墓地の心配から解放されてほしいと願って始めました。

──墓地の心配とはどういうことがありますか。

墓地を所有しない教会のクリスチャンのほとんどの方も、「仏教式の墓地に入りたくない。キリスト教式の墓地に入りたい」と思っています。自分の墓のために子どもたちが仏教の風習に従った儀式を行い続けることにも心の痛みがあります。

本人がキリスト教式の墓地を建てるという手段もありますが、高額な費用がかかりますし、永続的に親族の誰かに管理維持責任を負わせなければならないというのも大きな気がかりです。また、未信者の家族がおられる場合の心配もあります。

これらの心配から解放されるように造られたのが「園の墓」です。クリスチャンであれば誰でも、またそのご家族もご利用いただけます。継続的な年間管理費もいりませんので、残されたご家族の負担はありませんし、仏教的風習の束縛からも解放されます。

──現在、何人ほどの申し込みがあるのでしょうか。

富士霊園内「園の墓」の申込者はほぼ250人、大阪メモリアルパークのほうは180人近くになりました。その内およそ6割の方が生前予約です。

──そもそも、なぜ「墓地」なのでしょうか。

仏教文化が浸透している日本においては、お墓は大きな影響をもたらしています。クリスチャンになってからも、墓守(はかもり)、法事や法要に縛られている方々が多くおられます。その束縛から解放されることが必要です。

また墓地は、墓参りに来られた親族や友人の方にその人の「証し」を残すことができます。暮石には「私たちの国籍は天にあります」(ピリピ3:20、新改訳)と「わたしは、よみがえりです。いのちです」(ヨハネ11:25、同)という聖句が刻まれ、お一人お一人の名前も彫られています。

納骨式や記念礼拝では、参列する未信者の親族や友人の方々によい伝道の機会になるという確信もあります。葬儀や納骨式は、人間の命について真剣に向かい合う場であり、キリスト教式のそれを通して、もっと日本に福音が広く伝えられることを願っています。(明日へ続く)

 






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