ベルギー代表のロメル・ルカクの証しがSNSで拡散

 

FIFAワールドカップ(W杯)準々決勝でブラジルを2ー1で破り、躍進中のベルギー代表。そのスター・フォワードであるロメル・ルカクはゴールを決めた後、天を指さし、試合後、芝の上で祈りをささげる。敬虔なカトリック信者である彼は、これまでにも何度も信仰について語っている。

試合後に神に感謝をささげるロメル・ルカク(写真:ゴスペル・プライム提供)

ストライカー不在が指摘されている今回のロシアW杯の中で、彼の活躍はその存在感をより強めている。現在、マンチェスター・ユナイテッドで年俸960万ポンド(14億2000万円)を稼ぐ彼のこれまでの歩みは、しかし決して平坦ではなかった。

W杯の開幕直後、彼の幼少時代の証しがSNS上で世界中に拡散した。そこには、プロ選手になる前の貧しかった生活について赤裸々に語られていた。

「私が貧しさを実感したその瞬間の情景はいまだに目に焼きついています。私が6歳の時、家に帰ると、冷蔵庫の前で母が何かをかき混ぜていました。すぐには何をしているのかよく分かりませんでしたが、母は笑みを浮かべながら、普段どおり昼食を持ってきてくれました。あとで、牛乳と水を混ぜて嵩(かさ)増ししていたことに気づきました。

言葉が出ませんでした。母をこれ以上苦しめたくありませんでした。昼食を食べた後、誰かに突然、目の前で手を叩いて起こされたかのように感じ、神様に一つの約束をしました。その時、私は、何をしなければならないかをはっきり理解しました。

サッカーではよくメンタル・タフネスについて話題に上がりますが、私はあなたが出会う中で最もタフな人間です。私は暗がりの中で、母や兄弟たちと一緒に祈り、考え、そして将来を信じていました」

右がロメル・ルカク(写真:ДмитрийСадовников)

そして、彼の夢は13年後に実現した。

「16歳で地元ベルギーのRSCアンデルレヒトとプロ契約し、翌年、ベルギー代表に選ばれました。17歳の私に過剰な期待が寄せられ、多くの批判にさらされました。新聞では、結果が出た時には『ベルギーのストライカー』と呼ばれましたが、プレーに精彩を欠いた時には、『コンゴ人の子孫であるストライカー』とされました」

ブラジルとの試合前のベルギー代表チーム(写真: Эдгар Брещанов)

彼によると、以前に比べてプレッシャーに悩まされることはなくなり、感謝をすることができるようになったという。彼の父ロジェ・ルカクはベルギーのメディアに対して次のように語る。

「彼は非常に敬虔で、よく感謝をささげています。1日に15回も祈っているほどです。そのほとんどは、静けさの中での祈りです。彼はお守りをつけたりすることはありません。ロッカールームで、そして練習場で、トレーニングの途中でも祈ります。ロメルはいつも家族にも感謝しています。信仰と家族を大事にしたクリスチャンとして育ててきました」(Player’s Tribuneより)

(ベルギー代表は10日深夜、日本時間の11日午前3時からフランスと準決勝を戦う)

本記事はブラジルのキリスト教メディア「ゴスペル・プライム」より翻訳、転載しました。

出典URL:https://noticias.gospelprime.com.br/testemunho-lukaku-belgica-copa-do-mundo/

雑賀 信行

雑賀 信行

カトリック八王子教会(東京都八王子市)会員。日本同盟基督教団・西大寺キリスト教会(岡山市)で受洗。1965年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。90年代、いのちのことば社で「いのちのことば」「百万人の福音」の編集責任者を務め、新教出版社を経て、雜賀編集工房として独立。

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