新型コロナ・ウイルスの感染拡大を防止するため、全国各地の教会で礼拝やミサが休止されている。ただ、教会に教会員が集まらないため、月定献金や席上献金を礼拝の時に献金袋に入れるということができなくなった。そこで、銀行振込で献金するよう伝えている教会もあるが、リモートで献金するための一つの可能性としてオンライン献金がある。
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(以下AOG)はいち早くこのオンライン献金に乗り出した。理事の三箇義生(さんが・よしお)さん(郡山グレースガーデン・チャペル牧師)と、同教団のホームページ作りを手伝ったことのある工房ヒラム(教会のホームページ制作)代表の小牧由香さんに話を聞いた。
──AOGが教団としてオンライン献金の対応を取った背景を教えてください。
三箇 AOGは2011年の東日本大震災のとき、支援金を集めるために、クレジットカードでの寄付金窓口を作ったことがあったので、今回も同じような対応が取れました。
それぞれの教会ではなく、教団として教会へのオンライン献金に対応したのは、宗教法人であるなしが関係しています。教会が独自に、カードの決済代行業者などを通してオンライン献金を実施するには、その教会が宗教法人を持っている必要があるんですね。AOGには、一つの教会として宗教法人を持っている教会(全体の4分の1ほど)もありますが、持ってない教会も多いので、宗教法人である教団がオンライン献金のバイパスをする役割を担っています。
小牧 クレジット決済の場合、法人でない場合の取り扱いはクレジットカード会社の規約によると思います。ただ、そのための書類作成もたいへんで、審査も2週間以上かかるという面倒さがあります。
その点で、オンライン決済サービスである「ペイバル」はそういう審査は必要なく、すぐに始めることができます。また、申請の時に宗教法人番号を入れる欄があるのですが、空欄のままでも大丈夫です。
──インターネットでは、ペイパルで献金が「できる」という声と「できない」という声があります。
三箇 以前、AOGとして、ペイパルの利用も考えたことがあります。ただ、その時に調べた結果では、「献金での運用は難しいと思われるような規約もある」ということで、AOGが以前に利用したことのあるクレジットカードを使ってのシステムを作りました。
小牧 ネットでは「ペイパルは献金目的の利用ができない」という情報が流れているんですよね。しかし、実際に規約を調べてみると、そういった制限をするような文言はありません。私自身、ペイパルに2回、直接問い合わせたんですが、「どうぞお使いください」という返答でした。
ペイパルと同じように運用できる「ストライプ」というサービスでは、最初から「何にでも使える」と謳(うた)っているので、不安であれば、そういったサービスを検討するのもいいかもしれません。ちなみに、ストライプを使って教会のホームページに献金ボタンを設置するためのプラグインについて、最近ブログで書きました。
──実際にAOGのホームページからクレジットカードでオンライン献金を行おうとすると、どんな手順で手続きをするのでしょうか。
三箇 教団のホームページのいちばん上に「ホーム、組織……」というリンクがあり、その最後から3番目の「献金」というリンクをクリックしていただきます。すると、「JAG所属 各教会への献金手続き」というページが開きます。
まず、献金の総額(合計額)を入力し、「献金手続きの画面へ」というボタンを押します。次に出てくる「決裁」の画面で、最低限「必須」とある空欄に氏名やメールアドレス、クレジットカードの情報を入力して「入力確認」ボタンをクリック。そして、「献金内訳送信フォーム」で献金先の教会を選び、「什一献金」「感謝献金」「席上献金」など、献金の内訳を伝えるようにします。これで献金完了です。
送られた献金は、代行業者を通して教団の口座に振り込まれ、その後、それぞれの教会の口座に教団から振り込みます。その処理にかかる時間や振り込みの手数料などもありますから、教団から教会への振り込みは月に1回まとめて送ることにしています。(後編に続く)