教会に行きたがらない子どもへ… 西岡まり子 【教会では聞けない?ぶっちゃけQ&A】

Q.「なぜ教会に行かなければいけないの?」と子どもに聞かれ、答えに窮しています。(30代・女性)

子どもの心の成長を垣間見られる質問ですね。次の成長段階では、その価値を検討・比較して自分で「行く」「行かない」を選び行動していきます。そう考えると、この問いにどう取り組むかは、その子の一生を左右する重要な節目となることでしょう。

我が家でも娘が小5の時に、この問いをぶつけてきました。1年たった現在もまだ、答えは見つけていないようです。わたし自身も子ども時代にこの問いに立ち止まりました。聖日厳守と教えられ、強い義務感を持ち、しばし現実とのギャップに迷いました。親であるあなたは、いかがでしょうか? 教会に行くことに何を感じますか? 義務感・価値観どちらが強いでしょうか?

「行かなければ……」という義務感に縛られると、子どもは自己の成長と共に、解放されようとして逆の力を働かせます。親のコントロール下にいるときは、従順な良い子であっても、自分で選択する時が来たら、心の伴わない義務からは離れていくことでしょう。もう一方で、子どもは親の価値基準から自立して、自らの価値によって物事を判断する時期を迎えます。親に連れられて行く、ということから、自分の意志で行くことへのステップなのです。

では、なぜ我々は、教会に絶大なる価値をおくのでしょうか。それは、天地を創られ、わたしたちを救い、導いてくださる神こそが、worth ship(価値をおくのにふさわしい方)であり、worship(礼拝)されるべき方、その信仰そのものではないでしょうか? この信仰者である親の価値観がどれほど子の価値観となっていくかが問われるのです。

その決め手は、どのくらい命の創造の驚きや救いの喜び、さらに苦難の中で主に助けられる経験を共有したのかではないでしょうか。親の信じている神はすごいんだ! 教会に行くことには意味があり、こんなに大切なんだと子どもに伝わり、さらに子ども自身がそのお方を経験すること。それが、本人が答えを出していく第一歩です。

にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。

【既刊】『教会では聞けない「21世紀」信仰問答Ⅱ -悩める牧師編』 上林順一郎監修

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