ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。(ルカによる福音書16章10節)
主人の財産を使い込んで、不祥事がばれた管理人は、主人から解雇通知を受け、会計報告を出すように命じられた。彼は解雇される前に、管理者としての権限がある間に、主人の負債者を呼んで負債を割り引いてやり、恩を売った。こうしておけば、解雇された時、彼らのだれかが自分を彼らの家に迎えてくれるだろうと考えた。この管理人は不正をしてでも、自分の将来を切り開こうと、抜け目なく行動した。
主イエスはこの話をして、「この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている」(8節)と言う。この世の子らはこの世がすべてである。それに対して、光の子らは主に救われ、永遠の住まいが約束されている。それでは、光の子らにはこの世はどうでもよいのか。主イエスは光の子らに、終わりの日までの限られた時間を、この世で賢く、かつ真剣に生きることを求める。あの管理人のように、自分に委ねられたものを大いに使って、自分を永遠の住まいに迎え入れてくれる友を作ることを求める。
今日の聖句の「大きな事」とは、永遠の住まいである。この永遠に比べれば、この世は「小さな事」である。しかし、この大きな事はこの世と無関係なのではない。この世でなすべき事をおろそかにする者は、永遠の事にもおろそかであると、主イエスは言う。私たちはこの世の限られた時間の中で、委ねられている富を賢く用いなければならない。そうすることによって、私たちは主イエスを永遠の住まいに迎え入れてくれる友であることを証しする。