「ストイック」の語源になった人たちと、そこから出た皇帝

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◆161年3月8日 マルクス・アウレリウス・アントニヌスがローマ皇帝に即位

マルクス・アウレリウス・アントニヌスは第16代ローマ皇帝で、ローマの「五賢帝」に数えられ、またストア派の哲学者でもあったので「哲人君主」とも呼ばれました。『自省録』は今でも読み継がれている名著です。

彼が属したストア派という学派は現在の「ストイック」という言葉の語源になった人たちで、厳しく自分を律することを説きました。「人間は判断を間違わないためには自分を日々しっかりと律せねばならない。特に王たる者は」というのが彼らの教えでした。

ストア派は人格的な神を認めず、また死後の世界も認めないのでキリスト教からすれば「異教」なのですが、それでも『自省録』は多くのクリスチャンに愛されています。それは「所有」に執着しない点、人間は先天的に堕落していると考える点などが共通しているからであり、また「ロゴス」とか「徳」という概念はもともとストア派のものでしたが、キリスト教の教義確立の上で、これらが導入されています。

「権力者は無私の行動をしなければならず、また社会の模範になる義務を負う」というような意味の「ノブリス・オブリージュ」という概念がヨーロッパには伝統的にありますが、それは元を辿ればマルクス・アウレリウスやストア派の哲学に源流があるんです。どこかの政治家さんにも少し見習っていただきたいですね。

ぼやきはともかく
それではまた明日。

 

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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