教会でこそMacを使うべき理由 デキる牧師のMac活用術

 確たる統計があるわけではないが、「牧師のMacユーザー率が高い」という話は時折耳にする。とりわけ50代以下の「若手」牧師を中心にWindows派よりもMac派が多いような印象がある。かつてはデザインならMac、事務作業ならWindowsというのがセオリーだったが、果たして教会に向いているのはどちらなのか。長くアップル社製品を愛用してきた牧師に、改めて「教会でこそMacを使うべき理由」について話を聞いた。

 高校でWindows95、大学で98に触れていたという桝田聖彦(ますだ・きよひこ)さんが、初めてMacと出会ったのは大学卒業後に就職した印刷会社でのこと。もともと希望して入った職種でもなかったが、研修用の課題として使う機会があった。まだ個人的に買うには高額だった時代。

 献身して神学校に進学し、副牧師として鹿児島の教会に赴任するまで、プライベートではWindows Vista(ヴィスタ)を使用していた。教会の備品としてすでにあったパソコンもすべてWindowsだったが、起動の遅さに耐えきれず、副牧師として業務をこなす上で利便性が高いと説得し、初めてMacBook Pro(プロ)を導入してもらった。

 購入当初は、チラシのデザインなどで活用したほか、中高生向けのメッセージでプレゼンテーションソフト「Keynote(キーノート)」を駆使。Windowsによる作成物との違いに評判は上々で、高額だったものの教会員の納得は得られたという。

 「Macは洗練されたデザインが可能で、脳内にイメージしたものをすんなりアウトプットしやすいのが特徴です。Windowsと比べ圧倒的にグラフィックの品質が高く、印刷物が画面(ディスプレイ)上のビジュアルとかなり近いのも利点と言えます」

 もともとアナログな教会だったので、互換性の問題もそれほど気にはならなかった。事務所にはWindowsとMacのパソコンが併設され、目に見えて違いが分かるものの、教会にとって慣れたものを変えるハードルは想像以上に高い。当時60代だった主任牧師も、変わらずWindowsを使用し続けた。「iPhone(アイホン)のスマホを使えるならMacも使えるのに、とは思いますね」と桝田さん。

 すでにMacのパソコンは4代目。基本的に使い方は変わっていないが、iPad(アイパッド)の使い勝手が良いため、最近はもっぱらパソコンよりもiPadを使用するようになったという。外出先で仕事をしながら、教会や自宅のパソコンと連携できるのもMacの魅力。

 ちなみに説教原稿の作成はiPadだが、講壇に立つ際には印刷した紙で持参するというこだわりがある。「一種の安心感ですね。説教は、話しながら原稿から派生することもあるので、紙の方が柔軟に対応できる気がしています」

 全国から教会のホームページ作成を請け負う工房ヒラムの小牧由香さんも、パソコンの購入を検討する教会にMacを勧めることが多い。マウスがないと使えないWindowsと比べて、タッチパッドの性能が格段に優れているのも重要な推しポイント。画面スクロールの滑らかさもiPhoneとAndroidでは雲泥の差だという。特にコロナ禍でオンライン配信を始めた教会にとって、音響関連の性能は重要な基準になるはず。「Macはデジタル音を聞きやすく整音しているので、圧倒的にきれいです。配信に関してのトラブルも、Macではほとんどありません」

 桝田さんの教会でも、オンライン礼拝の配信を機に新たな機材を導入した。「教会で使っていたMacBook Air(エア)は動画処理が弱かったのですが、ゲーミングパソコンを使うようになってからだいぶ安定しました。配信用にはお勧めです。キーボードが派手に光るので、設定を変える必要がありますが……」

 最後に、牧師たちにMacを勧める最大の理由を聞くと……「対人関係の仕事が多い牧師にとって、ほとんどのことが思い通りにはいきません。せめてパソコンぐらいは言うことを聞いてほしいなと(笑)。教会では作業を合理化することに抵抗があるかもしれませんが、いろいろな作業が断然早くなると思いますし、時間を節約することでより良いメッセージを作ることができるはずです」との心強いお答え。

 特に理由もなく惰性で使ってきたというWindows派の皆さん。教会の前例にとらわれることなく、一度Macを試してみては?

(取材協力 鈴木光基、小牧由香)

教会で使えるMac専用ソフト

・「Accordance(アコーダンス)」 Mac非対応の「J-ばいぶる」に代わる牧師必携のツール。

・「Tap Forms(タップフォーム)」 新来者カードの情報管理で活躍。

iPhone、iPad ユーザーにとても便利な機能

・「AirDrop(エアドロップ)」 会報用の原稿データの送受信など、iOS間のやり取りに便利。iPhone、iPad、Mac間でファイル転送が可能。

・「iCloud(アイクラウド)」 Dropbox(ドロップボックス)のようなクラウドストレージ、同じアップルIDであれば写真などさまざまな情報が複数端末で自動的に同期、バックアップもできる。

あなたはMac派? Windows派?

Windowsのメリット
・Office系製品のパフォーマンスが優れている
・外部端子が豊富
・他のパソコンとの互換性が高い

Windowsのデメリット
・起動が遅い
・ウィルスに弱い(Windows向けのウィルスが多い)

Macのメリット
・起動が早い
・画面がきれい
・操作性に優れている
・iPhone、iPadとの連携ができる
・新しいPCへのデータ移行が極めて容易。プログラムや環境、データを簡単に完全移行できる

Macのデメリット
・外部端子が極端に少ない(接続の際は要注意)
・キー配列がWindowsと違う(慣れるまで時間を要する)

桝田聖彦
 ますだ・きよひこ 1978年、鹿児島県で牧師家庭に生まれる。学生時代に米ニューヨークへ留学。大学卒業後、会社員として勤務。神学校を卒業後、鹿児島県の教会で副牧師として7年間従事。兵庫県の教会に転任して現在に至る。

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